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備前化成、岡山大学に寄付講座を開設 
食品機能成分が腸内微生物に及ぼす働き解明へ

 サプリメント・健康食品の受託製造(OEM)、原材料開発などを手掛ける備前化成㈱(岡山県赤磐市、清水富江社長)が、岡山大学大学院環境生命科学研究科に寄付講座を1日付で設置、開設した。開設したのは「食品機能微生物学講座」で、健康増進と腸内微生物の関係や、食品機能成分と腸内微生物の関係を明らかにする上位基盤研究を推進する目的で岡山大に寄付、講座を設置した。同大学院の森田英利教授および同社から出向する下坂天洋特任講師が研究、教育にあたる。

研究成果、独自製剤技術の普及にもつなげる

 備前化成が大学に寄付講座を開設するのは今回が初めて。開設期間は2年の予定だが、研究成果などを踏まえて継続も検討する可能性がある。

 同社では、寄付講座での研究を通して、独自に開発した製剤技術の特性を活かせる機能性食品の開発加速も狙いたい考え。これまでに、食品機能成分を消化器官の特定部位に届けられる腸管内デリバリー錠剤技術(B-ReC技術)を開発しており、「この技術を用いることで積極的な腸内環境の改善を行うことが期待できる」と同社。寄付講座での研究を通じ、腸内微生物と健康維持の関係を明らかにできれば、「B-ReC技術を用いた健康増進につながる商品開発が加速される」と今後の研究に期待を寄せる。

研究対象の腸内微生物、乳酸菌など腸内細菌にとどまらない

 寄付講座の研究対象となる「腸内微生物」は、乳酸菌やビフィズス菌などといった腸内細菌にとどまらない。ヒトの腸内に約1,000種類以上存在しているとされる腸内細菌の他、細菌以外も含めた腸内微生物全般を対象に、健康維持や食品機能性成分との関係を研究する。同社研究開発本部の丸勇史本部長(執行役員)は取材に、寄付講座で進める研究について「これまでの腸内細菌研究とは異なるもの。(ヒトの体内には)腸内細菌以外にも健康に寄与する微生物が多数存在する。これまでほとんど行われていない未知の研究分野でもあり、新たな発見があるものと期待している」とコメントした。

清水社長、「新たな価値を創造したい」

 同社によれば、寄付講座開設にあたり、岡山大の槇野博史学長と同社の清水社長が先月27日に同大内で懇談。槙野学長は「健康寿命を延ばす上で食品や腸内微生物の研究は重要で、寄付講座の研究に期待する」、清水社長は、「独創的な技術に健康に貢献する新たな価値を創造していきたい」と、それぞれ抱負を述べたという。

(冒頭の写真:寄付講座設置に向けて懇談した岡山大学の槙野学長と備前化成の清水社長。提供:備前化成)

関連記事:備前化成、独自製剤技術開発に注力 最新技術は「B-HiT」

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