健康食品広告の苦情、大幅な減少続く 一方で保健機能食品は増加傾向【JARO22年度上半期】
(公社)日本広告審査機構(JARO)に消費者などから寄せられる、健康食品の広告宣伝(表示)に対する苦情件数が減少し続けている。2022年度上半期(22年4月~9月)は137件と、前年同期の6割程度にとどまった。ただ、機能性表示食品など保健機能食品の広告宣伝に関する苦情は増加傾向が認められている。
JAROによれば、健康食品の広告宣伝に対する苦情は20年度下半期以降に急減。21年度通期の苦情件数は368件と、前年度912件の4割まで激減した。22年度はそれを上回るかたちで件数が減っている。商品・サービス別(業種別)で見ると、上から8番目まで下がった。
理由としては、消費者庁が進めたアフィリエイト対策など、インターネット広告に関する取り組み強化が進んだことなどが指摘されているがはっきりしない。広告出稿数量そのものが大きく減少した可能性もある。
一方で、機能性表示食品や特定保健用食品、栄養機能食品を指す「保健機能食品」に関してはここにきて苦情件数が増えているという。
JAROは21年度から健康食品と保健機能食品を分けて集計結果を公表。22年度上半期の保健機能食品に関する苦情件数は、前年度上期の28件から67件に増加した。健康食品と保健機能食品の苦情件数を合算すると204件。業種別で苦情が最多の医薬部外品(280件)、それに続く化粧品(260件)に次ぐ上から3番目に引き上がり、21年度下半期との比較では、増加に転じるかたちとなる。
JAROによれば、保健機能食品の広告宣伝に対する苦情件数は20年度で75件。22年度はそれを大きく上回る可能性がある。
【石川 太郎】
(冒頭の画像:22年度上半期の業種別苦情件数。下の画像:健康食品・化粧品・医薬部外品の苦情件数推移。健康食品には保健機能食品も含まれる。いずれもJAROの報道発表資料「2022年度上半期の審査状況」から)