健康食品フォーラム、ゲノム編集食品「企業の説明責任が重要」
<北大・石井教授、消費者へ説明できる体制整備を要請>
NPO法人健康食品フォーラムは26日、健康食品セミナー「ゲノム編集食品とは?~安全性と今後の展望」を都内で開催した。
講演した北海道大学安全衛生本部の石井哲也教授は、ゲノム編集食品の取り扱いの有無に関わらず、消費者に対する説明責任が食品企業にとって重要と主張した。世界的に見て、ゲノム編集食品への対応が、遺伝子組み換え技術として規制する国とそうでない国とに2極化するなか、日本ではビジネスとして振興する状況にあると説明。今後、ゲノム編集食品の流通量が増加する状況を見据え、食品企業は使用原料がゲノム編集食品に関与しているかどうかについて、遡って情報を入手し、消費者へ説明できる体制を整備するように求めた。
また、米国で角のないホルスタイン牛をゲノム編集技術によって誕生させたが、後に米国食品医薬品局(FDA)がゲノム解析した結果、意図せずに抗生物質耐性遺伝子が組み込まれていたことが判明し、遺伝子組み換え牛と判定された事例を紹介。ゲノム編集食品を取り扱う企業では、遺伝子組み換えでないことを実証する必要があると指摘した。
(国研)農業・食品産業技術総合研究機構企画戦略本部新技術対策室の田部井豊室長は、遺伝子組み換え食品が登場した当時、賛否が分かれたが、ゲノム編集食品については多くの科学者が「自然変異と同様」と捉えていると説明。今後、民間企業の参入には消費者などの理解が必要となることから、ワンストップで情報発信できるサイト「バイオステーション」を立ち上げたと話した。
(写真:26日に開催されたセミナーの様子)