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健康被害情報の収集強化など確認 【厚労省・新開発食品評価調査会】

 健康食品と関連している可能性のある健康被害情報の取り扱いをめぐる意見交換が14日、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会のうち新開発食品評価調査会で行われ、情報収集を強化し関連が疑われる健康被害の事例を集積する必要性を確認した。また、製品名や成分名は原則非公開とするものの、事例を公表していく方向性も明確にした。厚労省は今後、同調査会の親に当たる新開発食品調査部会からも意見を聴くことにしている。

 厚労省は、健康食品に関するリスク管理の全体像を見直す方針を先月までに固めている。全体像を見直すことで、健康被害の発生・拡大の未然防止を強化したい考え。そのために、2002年10月に定めた既存の未然防止策である通称「平成14年通知」(健康食品・無承認無許可医薬品健康被害防止対応要領)の改正などを検討している。まずは健康被害情報の収集を強化する必要があるとの認識だ。

 平成14年通知に基づき厚労省に報告された健康被害事例は限定的だ。2020年6月から21年12月までのおよそ1年半で累計14件にとどまる。ただ、有識者の間では、実際はもっと多い可能性があるとする見方があり、この日の会議でも、「平成14年通知は上手く機能できていない」と指摘する声が上がった。

 同調査会座長の曽根博仁・新潟大学大学院教授(血液・内分泌・代謝内科学分野)も情報収集を強化する必要性を認識しており、この日の会議で「報告数がある程度ないと(因果関係を)分析できない。因果関係がはっきりしない場合でも、まずは(報告を)上げてもらう必要がある」と指摘。そのうえで、同調査会の構成員でもある日本医師会や日本薬剤師会など医療関係者のほか、事業者に対しても、情報提供への協力を求めた。

 曽根座長も、健康食品に関連する健康被害は「疑い例を含むと実際はかなりある可能性がある」との立場。この日の会議では、平成14年通知とは異なる枠組みで、健康食品に関連している可能性のある重篤な健康被害が一部で報告されている実態を伝えつつ、健康被害事例の公表を「国民にとっても事業者にとっても役に立つ良い方向に育てていく」ためには、公表の主旨を国民、事業者、メディアに理解してもらうためのリスクコミュニケーションが重要になるとした。

 この日の会議はオンラインで開催。会議の模様は厚労省専用のYouTubeチャンネルを通じてライブ配信され、誰でも視聴できた。公式記録(議事録)は後日、厚労省のホームページに公開される。


【石川 太郎】

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