代替タンパク質の市場拡大 2030年、22年比で4倍の6兆5,000億円
㈱富士経済(東京都中央区、菊地弘幸社長)はこのほど、代替タンパク商品の世界市場を調査し、その結果をまとめた。2023年5月~6月にかけ、同社専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリング、ならびに関連文献調査、社内データベースを用いた。
調査によると、2030年の代替タンパク商品の市場規模は22年の1兆6,400億円から約4倍の6兆5,000億円に成長するとの予測を示している。
中でも、植物系の代替タンパク質商品が市場拡大を牽引し、その規模は22年の1兆2,000億円から30年には約3.3倍の4兆円に達すると予測。
一方、微生物発酵系の代替タンパク質商品も大きく成長している。22年時点で600億円の市場規模は30年には約13.3倍の8,000億円に膨らむと見込まれている。
植物系は、主に大豆やエンドウ豆を原料にし、風味や香り、食感、見た目など「肉らしさ」の再現性向上の技術開発が進められており、Beyond Meat やImpossible Foodsなどの大手代替肉メーカーが展開する代替肉商品が北米市場を中心に販売されている。今後、短期的には参入メーカーの増加や欧州・アジアなど新興国での販売強化により、一層の市場の拡大が予想されるとしている。
また、国内でも健康志向の高い消費者に加え、ライトな消費者の獲得や食糧危機、サステナブルに対する意識の向上による需要が増加するとされている。
微生物発酵系は、主に欧米が市場の中心で、菌糸体由来のタンパク質、マイコプロテインを用いた商品が人気を博しており、今後は精密発酵由来のタンパク質が代替乳や代替卵の商品にも用いられると予想されている。
(冒頭の写真:大豆ミート)