仕事納めに届出40件公開 機能性表示食品巡り消費者庁
今年度、はや880件 1月にも千件超える?
仕事納めの人も多かったであろう12月28日、消費者庁は機能性表示食品の届出データベースの情報更新を実施し、計40件にのぼる届出を新たに公開した。
これにより、今年度(2021年度)の届出公開総数は880件にまで拡大。年度別公開件数で過去最高記録である20年度の1067件まで、残り180件余りに迫った。21年12月の届出公開件数は累計140件に達している。
機能性表示食品制度の施行から既に6年が経過した。一方で、機能性表示食品の届出に向かう事業者の意欲は一向に衰えを見せないどころか、さらに高まっている様子が今年度の届出動向からは窺われる。
届出書類を処理する消費者庁食品表示企画課のマンパワーが、そろそろ限界に近づいている可能性もありそうだ。
配置薬大手の富士薬品が初の届出
この日の更新で公開されたのは、届出番号G841から880まで。食品の区分別に見ると、サプリメント形状が23件、その他加工食品が15件、生鮮食品が2件と、サプリメント形状が多かった。
制度施行以来の届出件数は累計で4,898件。そのうち約500件が12月28日までに取り下げられている。
この日公開された主な届出を見ると、配置薬の販売や調剤薬局の運営などを手がける㈱富士薬品(埼玉県さいたま市)からの届出(G846)が目を引く。
同社が機能性表示食品の届出を行うのは今回が初。アイケア機能と認知機能に及ぼす働きを同時に訴求するサプリメントを届け出た。機能性関与成分は、ビルベリー由来アントシアニンやイチョウ葉由来フラボノイド配糖体など複数。
脚のむくみ軽減 赤ブドウ葉が4年ぶり公開
また、赤ブドウ葉由来ポリフェノールを機能性関与成分にする形で、脚のむくみ軽減機能を訴求するサプリメントの届出が久々に公開された。
2017年以来、4年ぶり。今回は、㈱ドクターズチョイス(東京都千代田区)が届け出た。ヘルスクレーム(届出表示)は前の届出と同じで、注意喚起表示が含まれる。以下の通り。
「本品には赤ブドウ葉由来ポリフェノールが含まれるので、夕方の脚のむくみを軽減します。 ただし、一晩寝て朝になってもむくみが回復しない(一過性でない)、脚以外の部位がむくむ、その他体に異常がある場合は、医師の診察をお勧めします」。
肝機能のスルフォラファン、オリザ油化の届出が公開
このほか、腹部の脂肪を減らすなどの機能を訴求できる、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンの届出が目立った。
計5件が新たに公開。これにより、同成分に関する今年度の届出総数は53件と、50件を超えることになった。いわゆるダイエット機能に対する需要の高まりが窺われる。
また、肝機能領域に展開できる機能性関与成分、スルフォラファングルコシノレートについて、原材料メーカーのオリザ油化㈱(愛知県一宮市)からの届出が公開された。同社は、同成分の含有量を13%まで高め、規格化したブロッコリースプラウトエキスを21年に上市。今回の届出公開を受け、今後、最終製品販売会社などへの届出サポートを本格化させることになりそうだ。