事後チェック指針、トクホ規約の現状~JHNFAとJAROがセミナー
<事後チェック指針、「おおよそ原案を維持」>
(公財)日本健康・栄養食品協会(JHNFA)と(公社)日本広告審査機構(JARO)は19日、セミナー「健康食品と通信販売の広告・表示の留意点」を都内で開催した。
消費者庁表示対策課の田中誠・機能性表示食品特命室長が、機能性表示食品の事後チェック指針をテーマに講演。パブリックコメントの募集を終了し、「寄せられた意見に対する回答を作成中。おおよそ原案は維持される感じがする」との見通しを示した。3月中に最終版を公表し、4月1日から運用を開始する。
田中室長は、事後チェック指針(案)の公表後に多数寄せられた質問を中心に解説した。公表済み届出について、事後チェック指針で示した問題事例に該当する場合、「撤回の指導が行われることになる」と述べた。
科学的エビデンスについて、副次アウトカムを根拠にするケースでは「合理的な説明が求められ、個別判断となる。よほどの説明が必要」となる点を強調。また、根拠論文が1報しかなく、バイアスリスクがある場合などでも、合理的な説明が求められると指摘した。
広告では医師・専門家の推奨、グラフ、体験談に関する質問が多数寄せられたという。医師・専門家の推奨について、「推奨自体がだめとは言っていないが、届出の範囲内である必要がある」と注意を促した。
<トクホ公正競争規約、25カテゴリーの公正マークを想定>
JHNFA機能性食品部の坂間厚子次長は、特定保健用食品(トクホ)の公正競争規約の作成状況について講演した。
規約案の作成へ向けて、昨年11月に表示連絡会を開催。「表示連絡会で寄せられた意見を反映するなど、現在は認定申請の直前にある」と話した。順調に行けば申請後、国によるパブコメ、官報告示の流れとなる。
坂間次長によると、公正競争規約は容器包装の表示と広告が対象。それぞれについて必要表示事項や任意表示事項などを定める。
広告の必要表示事項は、トクホである旨、許可された表示内容、バランスの取れた食生活の普及啓発を図る文言。推奨表示事項として、1日摂取目安量と摂取方法を挙げた。ヒト試験に関する表示、製品特徴や配合成分に関する表示などは任意表示事項となる。
また、「規約」「施行規則」「運用基準」の3階建てになると説明した。規約は表示ルールの骨組み。施行規則では具体的な表示ルールを示す。運用基準は表示ルールの細則。規約と施行規則は、パブリックコメントの手続きを経て公開される。運用基準は公正取引協議会の内規となり、非公開の扱いとなる。
公正マークは25のカテゴリーを想定。食後血糖値、食後中性脂肪、コレステロール、血圧、おなかの調子、歯、骨、肌などがある。
公正競争規約は、今後設置する公正取引協議会が運用する。公正取引協議会は総会、運営委員会、専門部会、事務局などで組織。事務局はJHNFAビル内に設置し、JHNFA職員が兼務する。会員企業はJHNFAの非会員も含め、広い範囲から募集する方針としている。
坂間次長は公正競争規約の運用により、「トクホの信頼感アップにつなげていくことができる」と期待感を示した。