三協、今期過去最高の売上をマーク 【機能性表示食品特集】届出サポートは380件超
受託製造メーカーの㈱三協(静岡県富士市、石川俊光社長)は、機能性表示食品の届出サポートで381件の届出支援を行い、独自の届出件数も23件に上る(6月9日現在)。2022年5月期の売上高は過去最高の115億円を達成するなど、同社の勢いは止まらない。コロナ禍の下、Webによる会議、Webによる商談に切り替え、工場全体にWi-Fiを完備してリモート見学を可能にするなど、IT化の整備を急速に進めてコロナ危機をチャンスに変えた。
顧客ニーズに応じた提案
機能性表示食品の届出サポートの依頼は相次いでおり、すでに381件に達している(6月9日現在)。消費者庁のホームページで公開されている届出として23件が自社申請のもの。機能性の訴求カテゴリー別に、原料メーカーのシステマティック・レビュー(SR)を使ったり、それに手を加えた届出資料を作ったり、「顧客のニーズに応じた対応を心がけている」(同社)という。
「どこがどんな製品を作って、どの企業が申請したか、今は(消費者庁のホームページで)全部分かりますから。それをお客様に見ていただいて、三協にお願いしようというかたちになりやすい」とし、OEM製品の受託数は伸び続けている。実績を積み重ねれば積み重ねるほど、依頼は増えていくようだ。信用を支えているのはオートメーション化した先端設備などのハードのほか、ソフト面に携わる80人の支援チームだ。
医学博士と薬学博士が1人ずつ。品質管理部門に30人。知的財産部門に弁理士1人。営業および営業企画部門に27人と、開発部門に20人と、80人の陣容を整えている。そのほか、本社・日の出工場、大渕工場、島根川本工場のスタッフを合わせると400人を超える。
営業にもひと工夫
営業にも工夫を凝らしている。「トリプルケアパック」という機能性表示食品の提案ツールを考案した。ヘルスクレームに対して、それに見合った剤形の錠剤やカプセルを1つのパウチに詰め、届出表示、栄養成分表示、枠内一括表示などを印字した見本を制作し、顧客に提案するという。
例えば、血糖値「バナバ葉由来コロソリン酸/錠剤1錠」、血圧「GABA/錠剤1錠」、中性脂肪「DHA・EPA/ソフトカプセル2粒」の3種類の食品を1袋に詰め、届出表示例を含めた食品表示を記載することで、顧客には分かりやすいサンプルとなる。包装を得意とする同社ならではのツールだろう。
一般食品の引き合いも増えた。先ごろ、同社が届け出た『PROTEIN BAR(プロテインバー)』(届出番号:G1391)が消費者庁で公開された。大手菓子メーカーとのコラボだとしているが、「今後はこういうかたちの食品の届出もサポートしていく」と話している。
PTP包装を完全自動化
包装専用工場として稼働4年目の大渕工場では、PTPシート包装の完全自動化を実現した。数十枚のPTPを機械で束ねてピローに入れる。ピロー包装したものを化粧箱に入れて封印シールを貼る。ロボットアームが化粧箱を段ボールに詰め、箱のふたを閉じ、箱の中央と端をガムテープでH型に封印する。かつては10人ほどで行っていたこれらの作業を省力・高速化した。今は、ほぼ資材を供給する管理担当者1人でコントロールすることが可能になったという。もちろん、PTPシートに錠剤・カプセルを充填するまでの工程も、異物混入検査を含め、自動化されている。
<COMPANY INFORMATION>
所在地:静岡県富士市伝法573-13(本社)
静岡県富士市伝法3178-1(日の出工場)
静岡県富士市大淵2362-1(大渕工場)
島根県邑智郡川本町大字南佐木993-1(島根川本工場)
TEL:0545-54-1248
FAX:0545-54-1138
URL:http://sankyohd.com
事業内容:健康食品・化粧品の受託製造
(冒頭の写真:AI搭載カメラ検査)