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一からわかる!化粧品広告規制~上級編(中)

今村行政書士事務所所長(化粧品薬事コンサルタント・MBA)

今村 彰啓 氏

中編:美白の表現について

<薬用化粧品の美白表現>

 『化粧品等の適正広告ガイドライン』によれば、薬用化粧品(医薬部外品)の美白表現について、「美白効果」「ホワイトニング効果」は医薬品医療機器等法(薬機法)による承認を受けた効能効果ではないため、これらを使用する場合は一定のルールに従って表現する必要がある。

 認められる表現の範囲として、以下が挙げられる。

・承認を受けた効能効果に対応する「メラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐ」などの表現の範囲

・メーキャップ効果により肌を白く見せる効果に基づく表現

・「美白・ホワイトニング」などの表現で、承認を受けた効能効果を明示した「説明表現」を併記する場合

 承認を受けた効能効果が「メラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐ」の場合の説明表現(*)の併記例は以下となる。

・「美白*」「*メラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐ」

 一方、認められない表現の範囲と具体例としては、以下が挙げられる。

(1)肌本来の色そのものが変化する(白くなる)旨の表現

・黒い肌も徐々に白くするホワイトニング効果

・白の加速、最短12日間で、今いちばん会いたい白に

(2)できてしまったシミ、ソバカスをなくす(治療的)表現

・できてしまったシミ、ソバカスの美白に

・○○年間もあったシミがこんなに薄くなるなんて

(3)承認を受けた効能効果以外のシミ、色素沈着に係る表現

・頑固なシミ、老人性斑点を美白

・下着、ストッキング跡などによるクスミ、黒ずみの美白に

(4)肌質改善をする旨の表現

・美白が変われば肌は変わる

・シミ、ソバカスのできにくい肌に

(5)効能効果の保証・最大級的表現に該当する表現

・早い人なら○週間で白さの実感

・美白の概念を覆す歴史的美白の誕生です

(6)添加剤を有効成分と誤認されるような表現

・○○美白成分(○○は保湿成分など添加剤の成分名)

・○○配合、新しい美白の誕生です(○○は保湿成分など添加剤の成分名)

<一般化粧品の美白表現>

 一般化粧品の美白表現について、認められる表現の範囲と具体例としては、以下が挙げられる。

・メーキャップ効果により肌を白く見せる旨の表現(事実である場合に限る)

・塗ればお肌がほんのり白く見える美白ファンデーションです

・お肌のシミを見えにくくする

 一方、認められない表現の範囲と具体例としては、以下が挙げられる。

(1)薬用化粧品の効能効果に係る表現

・メラニンの生成を抑え、シミ、ソバカスを防ぐ

(2)メーキャップ効果である旨が明確でなく、誤認を与える表現

・美白パウダーでシミ、ソバカスが消えてなくなる

(つづく)

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