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ロンザ、液体充填カプセルの提案強化 独自の強みあり、差別化から品質管理まで

 医薬品・サプリメント用ハードカプセルの製造販売などを手がけるロンザ㈱(小林亨社長)が機能性表示食品のOEM提案を強化している。同社独自の液体充填カプセル技術を活用した製品開発を提案しているもので、「見た目」からも差別化を図れるとアピール。水溶性素材と脂溶性素材を組み合わせたハードカプセル状サプリメントなどを具現化できる特殊技術を通じて、機能性食品市場の活性化に貢献したい考え。

水溶性素材と脂溶性素材を1粒に

 冒頭の写真は、ロンザが国内自社工場(神奈川県相模原市)で受託製造を手がける液体充填カプセルのひとつ(イメージ写真)。水溶性成分と脂溶性成分を、懸濁液とは異なる形で1つのカプセルに充填したもので、液体中に浮いているのは顆粒化(ビーズ化)した水溶性素材(液体は脂溶性素材)。透明カプセルに充填することで、粒や液体の動きが分かる見た目にもユニークなサプリメントを開発できる同社の独自製剤技術だ。

 一般的に、脂溶性素材を配合するのに適した剤形はソフトカプセルだが、ハードカプセルで製剤化できるようになる。脂溶性素材と水溶性素材の組み合わせには様ざまなバリエーションが考えられ、2つの機能性関与成分を配合して2つ以上のヘルスクレームを行う機能性表示食品の剤形に幅を持たすことができる。

 それだけではない。2つの剤形を組み合わせた製剤のため、タブレットやソフトカプセル、通常のハードカプセルでは製剤化が難しかった素材を組み合わせられるようになる。顆粒をコーティングすることで、配合禁忌のある素材を組み合わせることも可能。機能性関与成分の安定性を高めたり、機能性関与成分の定量分析を容易にしたりすることにもつながるため、機能性関与成分の含有量が表示値を下回るようなリスクを低下させるメリットがある。

 ロンザは、ハードカプセルに液体を充填する製品の関連技術で特許を取得。カプセルのキャップとボディの接合部に生じるわずかな隙間から液体が漏れ出さないようにするためのバンドシールとは異なるシール技術のほか、カプセルのデザインについて特許を取得しているもので、他社では簡単に真似できない。

 この技術を活用した液体充填カプセル「Licaps(リキャップス)」の受託製造は、ロンザに社名が変わる前のカプスゲルの時代から手がけていた。顆粒化した水溶性素材と脂溶性素材を1つのカプセルに充填する技術は「Licaps with Beadlets」を名称とする最新のLicaps技術となっている。

新たな機能性表示食品の開発につながる可能性

 同社は先ごろ、機能性関与成分としてGABAを配合した機能性表示食品の届出を行った。Licaps with Bealets技術を活用したもので、この届出を機に、同技術を使った機能性表示食品のOEM提案を強めはじめた。

 同技術を発展させた製剤の受託製造も行っている。内容物を充填したハードカプセル(インナーカプセル)を液体充填ハードカプセル(アウターカプセル)に組み入れる二重構造(カプセルインカプセル)を持つ「DUOCAP(デュオキャップ)」がそれだ(下の写真)。

 DUOCAPは、Licaps with Beadletsと同様、性状や特性などが異なる素材をはじめ、配合禁忌がある素材を1つに集約できる。湿気に弱い素材を保護することも可能。アウターカプセルにグリセリン液を充填することで、インナーカプセルに充填した素材を湿気から守り、安定性を維持できるようになる。

 「当社の液体充填カプセル技術を使うことで、製剤化が難しい素材の組み合わせを実現したり、組み合わせた機能性関与成分の(製品中の)安定性を高めたりできる可能性がある。これまでにない機能性表示食品の開発につなげられる可能性もある」。同社の事業開発部長はそう話している。

【石川太郎】

(冒頭および文中の写真:いずれもロンザ提供)

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