メラトニン、やっぱり「専ら医」 厚労省食薬区分WG、非医薬への移行を審議するも
厚生労働省は27日、「医薬品の成分本質に関するワーキンググループ」(WG)の議事概要を公開した。今年6月26日に開催したもので、今年度の第1回目に当たる。
議事概要によると、この日の審議では、概日リズム調整作用が知られるホルモンの一種、メラトニンについて、非医成分(医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質=原材料)リストに移行するかどうかを議論した。
メラトニンは現在、化学物質等として、専ら医成分(専ら医薬品として使用される成分本質=原材料)リストに収載されている。事業者等からの照会を受けて審議したとみられる。
しかし、審議の結果、専ら医成分リストに留め置くことが妥当だと判断された。
医成分リストへの移行は妥当でないと判断した理由については、「日本において処方せん医薬品として使用実態がある」ことを筆頭に、海外で流通しているメラトニン配合サプリメント(栄養補助食品)に関連すると「思われる」健康被害も一部報告されていることなどを挙げ、非医成分リスト移行が必要となる「新たな知見が生じたわけでもない」としている。
食薬区分リストの「記載」を見直しへ
このほか、今後の食薬区分リスト(食薬区分における成分本質の取扱いの例示リスト)の見直しに向けて、基本的な考え方を審議した。
現行の食薬区分リストには、「品目の重複や起原植物の混乱等が指摘されている」という。そのため、リストの記載見直しに向けた議論を今後複数回にわたり進めていくのだという。
厚労省が公開した資料によると、非医成分リストのうち、植物由来等について、例えば、「学名(ラテン名)」を追加するなどの考え方を示している。
【石川太郎】
関連資料:令和5年度第1回 医薬品の成分本質に関するWG議事概要(厚労省ホームページより)