ミリオナ化粧品、増産体制を準備
『コスメ・サプリ』の提案も強化 阪本社長インタビュー
㈱ミリオナ化粧品は、大阪に本社を構える1992年に創業した化粧品受託企業。効果・効能の表記が可能な医薬部外品のOEMに注力。直近の業績は売上高が63億7,000万円で増収増益を継続している。医薬部外品の化粧品と健康食品を合わせた新たな内外美容商品『コスメ・サプリメント』の提案も強化。適正な広告表現が可能な製品の供給と、アフターコロナの購買増大に期待して増産体制の準備が進む。
“医薬部外品のミリオナ”として、
百万年企業を目指す
――現在、取り扱うアイテム数はどれぐらいでしょうか。
阪本 当社はこれまで、医薬部外品のOEMを中心に取り組んできました。現在、医薬部外品のラインアップは70アイテム以上です。ナイアシンアミドを主剤としたシワ対策クリーム、トラネキサム酸、プラセンタ、グリチルリチン酸、ビタミンCなどを主剤とした薬用美白クリーム、塩酸ジフェンヒドラミン、センブリ、グリチルリチン酸などを主剤とした薬用育毛剤、指定医薬部外品の殺菌ハンドジェル、殺菌ハンドスプレーなどを筆頭に、さまざまな医薬部外品をクライアント企業のOEM商品に活用しています。
――健康食品にも注力されていますね。
阪本 研究開発にも注力しており、OEM・ODM企業としてさらなるブランド化を推進しています。そのほか、トイレタリーやヘアケア、メイクアップなどに展開を広げ、高圧乳化技術による独自のリポソーム原料の製造、オリジナルの化粧品処方や技術、原料の開発にも注力しています。また、医薬部外品、化粧品と機能性表示食品を組み合わせた内外美容商品『コスメ・サプリメント』の開発・提案も進めています。機能性表示食品も、現在6件届出が公表されています。
――設備投資も加速していますね。
阪本 大阪工場に1,500L真空乳化装置を増設し、衛生環境の増加工事を行いました。さらに、大阪加納工場で超音波チューブ充填ライン、4連自動充填ラインの増設、2020年末には、多品種対応充填ラインの新設を行いました。これから、岡山工場でアルミ分包ラインを4ライン増設し合計6ラインに、順次化粧品充填ラインの増強を図ります。
また当社は、引き続き、顧客や社員に喜ばれる“いいものづくり”を通して、世の中にお返しができる会社を目指します。
――長引くコロナの影響はいかがですか。
阪本 他社同様、店販を中心としたお客様のオーダーは落ちましたが、通販を中心としたお客様が伸びていますので、当社の業績としては大きな影響はありません。勤務体系も、ここにきて感染者が増えている現状を鑑みて、工場は時差出勤を、営業や本社の事務部門はテレワークの継続を決定しました。製造依頼が増えておりますので、感染対策には十分に配慮し、お客様にご迷惑が掛からないよう努めたいと思います。
地元自治体と連携し北海道へ
SDGsへの意識も
――北海道での新規事業について説明してください。
阪本 昨年、北海道美唄市と連携して、新工場の建設に着手しました。同工場では、まず、豪雪地帯である同地域の雪解け水を使った、化粧品用の水を製造します。今年の12月ごろの稼働を目指しています。『北海道空知地域の雪解け水(仮称)』としてブランド化し、化粧品のイメージ戦略として活用したいと思っています。当面は道内の工場への提供になりますが、輸送体制が整い、コストに見合う提案ができる状況になれば、本州への提供も検討したいと思っています。将来的には飲み水としての商品化も目指しています。また、同工場では、冬に降り積もった雪を夏の冷房に活用するなど、SDGsを意識した取り組みも行います。ご期待ください。
――ありがとうございました。
【聞き手・文:藤田 勇一】
<COMPANY INFORMATION>
所在地:大阪市北区梅田1-2-2-200(本社)
TEL:06-6147-3367
お問い合わせ:https://milliona.jp/contact/
URL:http://milliona.jp
事業内容:化粧品と医薬部外品のOEM/受託製造など