ミリオナ、『コスメ・サプリ』に着手
㈱ミリオナ化粧品は大阪に本社を構える、1992年に創業した化粧品受託企業。効果・効能の表記が可能な医薬部外品のOEMに注力。70アイテム以上の汎用処方を持つ。直近の業績は売上高が62億7,000万円で前年比10%増となった。今後は、医薬部外品の化粧品と健康食品を合わせた新たな内外美容商品『コスメ・サプリメント』の提案も強化する。適正な広告表現が可能な製品の供給と、アフターコロナの購買増大に期待して増産体制を準備している。
医薬部外品をOEM提供
70アイテム超
同社は“医薬部外品のミリオナ”と呼ばれるほど、医薬部外品のOEMを強化してきた。現在、医薬部外品のラインアップは70アイテム以上。ナイアシンアミドを主剤としたシワ対策クリーム、トラネキサム酸、プラセンタ、グリチルリチン酸、ビタミンCなどを主剤とした薬用美白クリーム、塩酸ジフェンヒドラミン、センブリ、グリチルリチン酸などを主剤とした薬用育毛剤、指定医薬部外品の殺菌ハンドジェル、殺菌ハンドスプレーなどを筆頭に、さまざまな医薬部外品をクライアント企業のOEM商品に活用している。
研究開発にも注力しており、OEM・ODM企業としてさらなるブランド化を推進。さらにスキンケアのほか、トイレタリーやヘアケア、メイクアップなどへ展開を広げ、高圧乳化技術による独自のリポソーム原料の製造など、オリジナルの化粧品処方や技術、原料の開発にも注力している。
医薬部外品、化粧品と機能性表示食品を組み合わせた新たな内外美容商品『コスメ・サプリメント』の開発・提案も進めており、機能性表示食品として届出が9件公表されている。
設備投資も加速
あらゆるモノをバーコード管理
ここ数年は設備投資にも注力している。大阪工場に1,500L真空乳化装置を増設し、衛生環境の増加工事を行った。さらに、大阪加納工場で超音波チューブ充填ライン、4連自動充填ラインの増設を行った。昨年末には多品種対応充填ラインの新設を行った。
また、岡山工場ではアルミ分包ラインを4ライン増設し合計6ラインに、順次化粧品充填ラインの増強を図る方針だ。
2018年に新設した物流センターでは、あらゆるモノの入出庫をバーコード管理するシステムを稼働し、新たに各工場の入出庫と計量システムを連動し、計量トラブルや原料、資材、製品などの在庫トラブルを未然に防ぐ仕組みを構築している。
さらに昨年、品質調査室を立ち上げ、品質に関する内外トラブルを一元管理し、トラブルの対策と対応、そして解決を行っている。それらの業務に使用するFT-IRや蛍光顕微鏡などを増設し、順次LC-MS、GC-MSなどを導入していく。
また、同社は顧客や社員に喜ばれる“いいものづくり”を通して、世の中にお返しができる会社を目指している。ISO9001に続き、ISO22716を今年度中に取得予定。さらに、横浜工場を皮切りに大阪、加納工場でエコサート(コスモス)認証を取得し、自然派志向にも対応したモノづくりを可能にした。これによりオーガニック専用工場として付加価値を高める考えだ。将来的にはハラル認証の取得も視野に入れる。今後も今まで同様に、技術力と品質に裏打ちされたOEM・ODM企業として、ミリオナ化粧品のブランド化の推進をテーマに、幅広い業界への提案を強化する方針としている。
北海道に進出
地元自治体との連携も
同社は今年、北海道美唄市と連携し、新工場の建設に着手した。同工場は、豪雪地帯である同地域の雪解け水を使った、化粧品用の水を製造する。来年夏の稼働を目指している。今後の展開として阪本社長は、「『北海道空知地域の雪解け水(仮称)』としてブランド化し、化粧品のイメージ戦略として活用したい」と話す。また、将来的には飲み水としての商品化も目指している。さらに阪本社長は、「同工場で使用する冷房には、冬に降り積もった雪を活用するなど、SDGsを意識した取り組みも行う」としている。
COMPANY INFORMATION
所在地:大阪市北区梅田1-2-2-200(本社)
TEL:06-6147-3367
FAX:06-6346-0331
URL:http://milliona.jp
事業内容:化粧品と医薬部外品のOEM/受託製造など