ホクネット、3事業者との応対を公表(後) 「キレイモ」の運営事業者GFAから回答(2)
G社との一問一答を紹介する前に、そこに至るまでの経緯を説明しなければならない。
現在、キレイモのホームページ「お知らせ」には、「重要なお知らせ」として、3月1日付で「2022年9月30日以前に株式会社ヴィエリスのキレイモサービスをご契約されたお客様へ 特典付優遇プランの開始とサービス有償化のお知らせ」が掲示されている。
昨年10月1日から実施していた無償施術サービスが2月28日をもって終了し、3月1日以降も継続的に施術を受ける希望者にだけ特典付きのサービスを案内するとしているが、これまでのところ、ヴィエリスとGFAとの関係、キレイモのサービスを受けていた消費者と両社との関係がとても分かりにくい。そのために今回、両社に対するホクネットの照会が行われたかたちなのである。
そこで記者は、昨年10月18日付のお知らせ「コールセンター復旧のお知らせ並びに予約方法変更のお知らせ」に示されているフリーダイヤルにコールした。
すると、「キレイモコールセンターです。ガイダンスに沿って番号をお選びください。ガイダンスの途中で番号を選択することも可能です。番号選択を誤った場合は電話が切れてしまい、おかけ直しが必要になりますので、あらかじめご了承ください。2022年9月30日までにヴィエリス社とご契約のお客様は①を、2022年10月1日以降にGFA社とご契約のお客様、カウンセリングや店舗にてご案内済みのプランをご検討中のお客様は②をお選びください」というガイダンスが流れていた。
① を選んだところ、さらに「ご予約変更、キャンセル、遅刻、遅延のご連絡は①を、お手入れ前のお問い合わせプランについてのお問い合わせは②を、お肌のトラブルについて、お手入れ後のお問い合わせ、物販商品についてのお問い合わせは③を、お支払いやショッピングローン、友人紹介のキャッシュバック、解約申請、解約後の返金については④を、もう一度お聞きになる方は⑨お選びください」とのアナウンス。
④をプッシュすると、「お支払いについてのお問い合わせは①を、ショッピングローンに関するお問い合わせは②を、友人紹介後のキャッシュバックについては③を、ご解約の申請は④を、ご解約後の返金に関するお問い合わせは⑤を・・・」というガイダンスが流れる。
続いて⑤を押すと、「ご返金までにお時間をいただいており、誠に申し訳ございません。ご解約をお申し出いただいたお客様より、順番に対応させていただいておりますが、現在遅延しており、通常よりもお時間をいただいている状況でございます。また、順番に対応しているため、ご返金予定日をお伝えすることができかねております。ご不安な思いを抱かせてしまい、ご満足いただけるような回答もできていないことを心よりお詫び申し上げます。誠に恐れ入りますが、ご返金完了まで、もうしばらくお待ちくださいますようお願い申し上げます。ご案内は以上となります」というアナウンス。結局、返金について具体的な解決策は示されておらず、らちが明かない説明に終始していた。
そこで記者が、ヴ社のメールフォームから質問を送ったが、音沙汰がないという点は前回ご紹介したとおりである。
GFA社に対しては、(ホクネットからの)照会書は手元に届いているか? 届いているとすれば、今後、どのような対応を取るつもりか? 今後の方針は?――の3点について、2月13日にFAXで質問書を送信の上、同社に電話で伝言。さらに3月1日には上記質問に加え、「事業譲受した28店舗における返金の対応状況、ヴィエリスとのコミュニケーションの有無、ヴィエリスの所在の確認」などについて、同じくFAXと電話で問い合わせていた。
またG社は1日、同社ホームページ上の最新のお知らせにおいて、「(開示事項の経過)株式会社ヴィエリスからの一部事業譲受及び 新たな事業の開始に関するお知らせ」を掲載していた。内容は以下のとおり。
1.新システムへの移行の必要性
当社は、2022年10月1日付で美容脱毛サロンを一部譲受しておりますが、旧システムは28店舗の予約、売上管理などの面で店舗と一体で機能しており、即座に切り離すことが出来ない形で連携されております。
また、旧システムは独自に構築されており、常に構築を続けていく仕組みになっていたことから、ランニングコストが大きく、継続することは費用対効果が悪いと判断しております。 そのため、互換性のある市販サービスやシステムを検討及び組み合わせて活用し、十分な機能を満たす新システムの導入が必要と判断し選定を続けてまいりました。
新システムの導入により、コストの低減が可能であること、店舗の在庫管理等も容易になることから、スタッフがよりお客様への施術に集中できる環境を整えることもメリットが大きいと判断いたしました。
システムの切り替え後にスムーズなフランチャイズ化が得策と考え、両社で合意しております。なお、交渉の過程で、その後のマーケティング費用の大部分をM’sPlantage社が負担することをご了承いただいていることからスケジュールの再設定することといたしました。
2. 新たなスケジュールについて
新たなライセンスアウトのスケジュールについては、以下のとおりです。 (1)フランチャイズチェーンライセンス契約の締結予定日・・・2023年4月上旬 (2)フランチャイズチェーン開始予定日・・・2023年4月16日
3.今後の展開について
当社は、現在もM’sPlantage社を始めとするライセンスアウト先候補企業と、更なる店舗のライセンス契約についての協議を継続しております。 今後、M’sPlantage社とのフランチャイズチェーン化の進捗やその他企業との追加のライセンス契約についての進捗があった場合にはすみやかにお知らせいたします。
4.2023年3月期の連結業績への影響について
当該スキームによる当社グループ2023年3月期の連結損益への影響は軽微です。
さらに、冒頭には問い合せ先として、執行役員の名前とともに問い合わせ先の電話番号も記載されていた。ところがこの番号にいつ電話しても、本人は留守。受付代行会社の女性が伝言について「折り返す」と言うが、1度も電話がかかってくることはなかった。
こういう状況の中、記者は同社をアポなしで訪問することになったのである。
(つづく)
【田代 宏】
○これまでの経緯
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