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プレミセルクルクミン粒子によるアルコール代謝効果を確認

㈱オムニカ(静岡県裾野市、高尾久貴代表)は、「プレミセルクルクミン粒子によるアルコール代謝効果」をランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験によって確認した。研究成果は、学術雑誌「薬理と治療」(2020年5月20日発行)に掲載された。

<ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験>
【目的】ショウガ科ウコン属のウコン(Curcuma longa)は、アジア、アフリカ、中南米の熱帯・亜熱帯地域で広く見られる多年生植物である。ウコンの根茎から得られる親油性のポリフェノールを含む抽出物は、日本人のソウルフードであるカレーライスに用いられるカレースパイスとして、あるいは二日酔い対策のドリンク剤として、今日まで広く親しまれてきた。ウコンの生理活性物質の主な成分はクルクミノイド(クルクミン、デメトキシクルクミン、ビスデメトキシクルクミン)である。

クルクミノイドの中でもよく研究されているクルクミンには、抗酸化剤、抗アミロイドβ凝集、抗炎症作用など、多くの有用な生理学的効果を促進する効果が報告されている。また、クルクミンを含むウコン抽出物は、動物やヒトにおいて、アルコール代謝および排除を促進する、およびアルコール性肝障害を軽減する可能性が報告されている。しかし、よく知られているように、クルクミンは水和され、グルクロン酸抱合を受けて生物学的利用率が非常に低いことが課題となる素材である。そこで、クルクミンを特定の脂質(固体脂質粒子)と複合体を形成させることによりカイロミクロンに搭載させ、健常者が摂取した場合に薬理作用を期待できる遊離クルクミン構造としての体内動態を示すことが確認されたクルクミン組成物が開発された。本研究では、ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験により、ヒトアルコール負荷試験における、遊離クルクミン供給体としてのクルクミン製剤のアルコール代謝への効果を検証した。

VASによるアンケート調査
【方法】被験者は、20歳以上の健康な日本人男性15名で、プラセボおよびクルクミン組成物ウコン製剤(LV)100 mg(ウコン由来クルクミン18~25%)含有食品のどちらかを摂取させ、ウォッシュアウト期間を6日間挟んだ2回のアルコール負荷を実施した。試験は、アルコール負荷120分前に食事を摂取させ、アルコール負荷30分前に試験食品を摂取させ、アルコールを摂取させて行った。アルコール負荷量はアルコール0.5mL/kg体重とした。アルコール負荷前および負荷後30・60・120・180分に採血を行い、血中エタノール濃度、血中アセトアルデヒド濃度を測定した。また、負荷前および負荷後30・60・90・120・150・180分にアンケート調査および呼気アルコール濃度測定を実施した。アンケート調査では、「眠気」「脈が速くなる」「頭痛」「吐き気」「陽気な気分」「顔の赤み」「体のほてり」「呼吸の速さ」についてVASでアンケートを行った。

【結果・考察】1名が同意を撤回し、14名が試験を完了した。血中アルコール濃度およびAUCに統計的に有意な差はなかった。血中アセトアルデヒド濃度はLV群において負荷180分後に、プラセボ食品群よりも有意(0.98±0.06 mg/L, 1.23±0.08 mg/L ;p=0.024)に低くなった。AUCに統計的に有意な差はなかった。アンケートの結果、「頭痛」スコアはLV群において負荷180分後にプラセボ群と比較して低い傾向があった。それ以外の項目には有意な差はみられなかった。

アルコール摂取による影響を緩和
ヒトが摂取したアルコールは、体内で主に肝臓のアルコール脱水素酵素によってアセトアルデヒドに酸化され、その後アルデヒドデヒドロゲナーゼによって酢酸に変換され、最終的に二酸化炭素と水に代謝される。アルコールの主要代謝産物であるアセトアルデヒドは、アルコール摂取による肝臓障害に関与しており、アルコール摂取による頭痛、動悸、顔面紅潮の原因物質であるともいわれている。遊離クルクミン供給体としてのクルクミン製剤はアルコール摂取後に血液アセトアルデヒド代謝を高め、アルコール摂取による影響を緩和する可能性があることが示唆された。
※論文名「Effects of solid, lipid curcumin particles on alcohol metabolism —An exploratory and a randomized, double-blind, placebo-controlled, parallel-group crossover study—」

<COMPANY INFORMATION>
所在地:静岡県裾野市今里492-1(本社)
東京都板橋区板橋4-21-7(東京事務所)
TEL:03-5944-4201
FAX:03-5944-4211
URL:https://www.omnica.co.jp
事業内容:健康食品の製造・販売、加工食品の受託製造など

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