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プラセンタエキスをフェムケア市場に スノーデン、更年期女性のヘルスケア用途で提案

 プラセンタエキス製造販売大手のスノーデン㈱(東京都千代田区、明壁正英会長)がフェムケア・フェムテック市場に参入する。女性のライフイベントの1つ、更年期に生じる身体的、精神的な変化をケアし、更年期女性のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)が維持されるよう、プラセンタエキスの機能性を生かしたい考え。ヒト試験(RCT)結果を始めとする科学的な知見を背景に、更年期女性のヘルスケアに有用な素材であることを積極的に伝える。

QOLを維持 社会貢献にも

 健康や体調に関する悩みはライフステージごとに変化する。そうした悩みを、女性に特化するかたちでケアしたり、解消できるようにしたりする製品・サービスが近年、フェムテック(Femtech)やフェムケア(Femcare)と総称されるようになった。女性のヘルスケア(健康維持・増進)を巡る新たな概念と捉えることもでき、経済社会の活性化も期待した「女性の活躍」を掲げる政府方針ともマッチする。成長産業の1つとして期待されるヘルスケアの中でも、需要や市場の創出に向けた産業界の熱が高まっている領域だ。

 一般用医薬品から健康食品まで、製品分野を横断するかたちでプラセンタエキスの製造販売を長年展開しているスノーデンでは今後、更年期女性のQOL維持を念頭に置いたフェムケア・フェムテック対応素材として、同社製ブタ由来プラセンタエキスを活用することをヘルスケア産業界に促す。更年期症状を理由にした離職で収入が減ったことなどに伴う経済損失は女性のみで年間4,200億円に上るとする調査報告もあり、更年期症状の改善をサポートすることには社会的意義もある。

新しい選択肢 RCT論文も背景に提案へ

 更年期症状の改善方法としては、ホルモン療法が知られる。また、プラセンタも利用されている。いわゆる「プラセンタ療法」だ。定期的な注射治療を行うことで症状を緩和させる。一方、症状が軽い場合、医療機関で治療を受けることに抵抗を感じる層も一定の割合で存在するとみられる。そうした軽微な更年期症状を抱える女性のQOL維持のためにもプラセンタエキスを活用してもらいたい、と同社は話す。「更年期女性の苦しみの一端を、少しでも和らげる方法の1つとして当社のブタプラセンタエキスの経口摂取は有用だ」。

 軽微な更年期症状を有する更年期女性のQOL維持に同社製ブタ由来プラセンタエキスの経口摂取が有用だと主張する根拠は何か。1つは、同社と、(一財)日本胎盤臨床医学会(長瀬眞彦理事長)に所属する医師らが2017年、海外ジャーナルに投稿したRCT(ランダム化比較試験)論文だ。

 Climacteric誌に掲載された同論文は、軽微な更年期症状を有するものの治療は行っていない更年期女性50人を対象に、12週にわたり実施したRCTをまとめたもの。試験の結果、SMI(簡略更年期指数)の総スコアが試験開始前と比較して低下し、変化量で見た場合は、群間比較での有意差が12週目で認められたことなどを報告した。

 試験に使用したのは、同社製の健康食品用途ブタ由来プラセンタエキス。摂取量は健康食品として一般的な1日あたり300mg。その量を12週間継続摂取することで、更年期女性における主観的な更年期症状を改善させる可能性が示唆されたことになる。

体感の声を受けて実施したRCT

 同社製ブタ由来プラセンタエキスの経口摂取によって、更年期症状の改善を体感できる可能性のあることは、同社が実施した消費者アンケートからも窺われていた。

 このアンケートは、同社が製造販売する一般用医薬品(第2類)の滋養強壮剤『プラセントップ錠』の利用者2,000人以上に対し、購入目的や体感などを尋ねたもの。その結果、体感に関しては、「疲れたがとれた」が最多となり、次いで「朝の目覚めがスッキリ」が続いた。また、「ヤル気が出た」(4位)、「寝つきが良くなった」(7位)、「肩こりが改善」(9位)などといった声も上がり、「更年期女性に見られる代表的な症状の改善を示唆する結果を示すものだった」と同社。プラセントップ錠は、プラセンタエキス(絨毛組織加水分解物)を有効成分として配合したもので、この結果を受けて、軽微な更年期症状を有す更年期女性を対象にしたRCTを実施することになったという。

体感できるメカニズムは? 関与成分は?

 体感性を伴うフェムケア・フェムテック対応素材──今後、プラセンタエキスがヘルスケア食品市場でそうしたポジションを得る可能性もありそうだ。一方、そうした体感を得られる理由について同社では、「含有成分が直接的あるいは間接的に、中枢への作用をもたらしている可能性も考えられるものの、詳細なメカニズムの解明は今後の課題だ」と指摘する。プラセンタエキスの生理活性に関しては、これまでに抗酸化作用、抗炎症作用、造血幹細胞の増加作用などが報告されているが、そうした生理活性のみをもって、RCTや利用者アンケートで示唆された「軽微な更年期症状の改善を含む多様な身体作用の全てを説明することはできない」。

 また、機能性関与成分も明確ではない、という。さまざまなペプチドを始めアミノ酸など多種多様な成分でプラセンタエキスは構成されているためだ。特定のペプチドを機能性関与成分とみなす考え方もあるが、同社では、「特定の分子ではなく、未知および既知を含む多様な分子の総合的な作用によって機能性を発揮するのがプラセンタエキスだと、我われは考えている」と主張。「動物由来の『エキス』も機能性関与成分として届出可能になるよう、ガイドラインなどの改正が強く望まれる」とも訴える。

【石川 太郎】

(冒頭の画像:スノーデンの熊谷工場。健康食品GMP適合認定を取得している)

関連記事:スノーデンの豚由来プラセンタエキス、睡眠の質改善機能もRCTで示唆

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