消費者庁は14日、機能性表示食品の届出データベース情報の更新を行い、計11件の新規届を公表した。㈱ファンケル（横浜市中区）からの新たな届出や、初の公表となるアルプス薬品工業㈱（岐阜県飛騨市）からの届出が含まれる。2022年度の届出件数は累計98件になった。

アルプス薬品工業が初の届出　ケルセチン配糖体で

　植物エキスなどの製造販売で知られるアルプス薬品工業が届け出た機能性関与成分は、ケルセチン配糖体。同成分は、これまでにサントリーウェルネス㈱（東京都港区）が『ロコモア』などの機能性関与成分として届出実績を作っていたが、アルプス薬品工業が届け出た機能性表示（ヘルスクレーム）は、同成分に関して従来なかったもの。同社は今回、『ユビオフラボノイド』を商品名とするサプリメント2件を届け出ており、届出表示はそれぞれ次のとおり。

　ユビオフラボノイドC：「本品にはケルセチン配糖体が含まれています。ケルセチン配糖体には、食事で摂取した脂肪分の吸収をゆるやかにして、食後の血中中性脂肪の上昇をゆるやかにする機能があることが報告されています。脂肪分の多い食品を摂取しがちな方におすすめです」。

　ユビオフラボノイドB：「本品にはケルセチン配糖体が含まれています。ケルセチン配糖体には、中高年が加齢に伴い低下しがちな積極的な気分、生き生きとした気分、やる気を維持する機能があることが報告されています」。

ファンケル、コレステロールに着目

　一方、ファンケルは、新たに『コレステサポート』を商品名とするサプリメントを届け出た。機能性関与成分は、紅麹ポリケチド、りんご由来プロシアニジンの2つ。届出表示は次のとおり。

　「本品には紅麹ポリケチド・りんご由来プロシアニジンが含まれるので、LDL（悪玉）コレステロールが高めの方のLDL（悪玉）コレステロール、総コレステロール、LH比［LDL（悪玉）コレステロールとHDL（善玉）コレステロールの比率を示す値］、non-HDLコレステロール［総コレステロールからHDLコレステロールを引いた値］を下げる機能があります。コレステロールが高めの方に適しています」

　LH比を下げる働きを訴求するヘルスクレームの届出は珍しいが新規ではなく、これまでにもキューバ産サトウキビ由来ポリコサノールや米紅麹ポリケチドを機能性関与成分にしたサプリメントについて届出があった。一方、non-HDLコレステロールを下げる働きを訴求するのは、同商品が初になるとみられる。

森永乳業、N-アセチルグルコサミンを届出

　なお、この日の更新で公表された新規届は、届出番号「H88」から「H98」まで11件。内訳は、サプリメント8件、その他加工食品3件となっている。

　その他加工食品では、N-アセチルグルコサミンを機能性関与成分とし、歩行時などのひざ関節に対する働きを訴求する飲料の届出が公表された。届出者は森永乳業㈱（東京都港区）。届出商品名は『楽歩習慣グルコサミンプラス』とされている。また、サプリメントでは、明治薬品㈱（東京都千代田区）からの届出が2件公表。スルフォラファングルコシノレート、リコピンを機能性関与成分にしたサプリメントをそれぞれ届け出た。

【石川 太郎】

（冒頭の画像：ファンケル「コレステサポート」の表示見本。消費者庁届出データベースより）

関連資料（外部リンク）：アルプス薬品工業が届け出たケルセチン配糖体のうち活力ケアサプリに関する届出資料

　　　　　　　　　　　：ファンケルが新たに届け出た「コレステサポート」の届出資料