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ビタミンCサプリに新たな価値を ポーラと三生医薬が共同研究、「共創型OEM」を体現

 ビタミンCサプリメントに「新しい価値」の創出を目的とする研究開発を、㈱ポーラ(東京都品川区、小林琢磨社長)のPOLAイノベーションセンターと三生医薬㈱(静岡県富士市、今村朗社長)が昨年、共同で実施。その成果を実装した新商品をポーラが今年1月1日に発売した。外部研究機関と連携しながら新価値創出に取り組む同センターに対し、サプリメントの受託開発・製造を手がける三生医薬が原材料の探索・選定など開発初期段階から参画した。昨年掲げた「共創型OEM」の取り組みを具体化する事例になったと、三生医薬は説明している。

即効性と持続性、素材探索から並走した両社

 昨年12月に横浜市で開催された第48回日本分子生物学会。発表された演題の1つに「ヒドロキシラジカル消去とNRF2活性化を併せ持つ複合素材の探索」がある。POLAイノベーションセンターと三生医薬が共同発表したものだ。

 発表によると、フラボノイドを含む植物エキスとアスコルビン酸を併用した場合、強い酸化力を持つヒドロキシラジカルの消去作用に加え、酸化ストレス防御に関与する転写因子NRF2のシグナル経路が活性化することを細胞試験で明らかにした。これにより、細胞の酸化ストレス耐性が両面から強化される可能性が細胞レベルで示されたとしている。

 ポーラは、アスコルビン酸(栄養成分名:ビタミンC)配合の健康食品を30年以上にわたり販売してきた。リニューアルも重ねてきたが、近年では「技術的にも成熟したカテゴリーにおいて、いかに新たな価値を提示できるかが課題だ」とPOLAイノベーションセンターの宮﨑博隆氏(副センター長)は話す。そうした中で、次期リニューアルに当たり着目したのが、アスコルビン酸の抗酸化作用における「即効性」と「持続性」。この両立を新たな価値として打ち出す方針を定め、それを可能とするアスコルビン酸とフラボノイドの複合素材の研究開発を進めることにした。
 
 そこに初期段階から参画したのが、組織内に学術や原材料開発のチームを抱える三生医薬。各種フラボノイドの抗酸化作用の比較検討から、抗酸化作用の強いフラボノイドを含む植物抽出物の開発に向けた方向性づくり、さらに試験データの取得までを、今回の取り組みのために社内に立ち上げた専門チームがPOLAイノベーションセンターに伴走した。具体的には、ビタミンCのイメージとの親和性がある柑橘由来のフラボノイドに着目した原材料の選定、予備試験の実施、同センターが策定した試験プロトコル(細胞レベルでの酸化ストレス試験)を実施するための技術支援などを行ったという。

 その成果が、第48回日本分子生物化学会での共同研究発表だ。フラボノイドを含むレモン、ベルガモット、ジャバラ、青ミカンといった柑橘類のエキスとアスコルビン酸の併用は、アスコルビン酸単独と比べて細胞の抗酸化力を高め、酸化ストレスから細胞を守る働きを向上させる可能性を見出した。

「伝言ゲーム型」から脱却 一気に増したスピード感

 また、一連の研究の進捗に合わせながら、研究成果を実装する製品の開発も同時に進行させた。このため、研究・開発の着手から新商品完成までの期間は12カ月未満であったという。「素材探索から研究、学会発表までを含めたプロセスを踏まえれば、短期間だったと言える」(宮﨑氏)。

 三生医薬にも話を聞いた。研究開発本部長の又平芳春氏(常務取締役)は、今回のPOLAイノベーションセンターとの取り組みについて、「とても深い共同研究をやらせていただいたこともあり、営業から開発や品質保証までの専任チーム制を軸とした共創型OEMの理想形になったと思う。製品開発の初期段階から同じ方向を向きながら最後まで連携できたし、従来の『伝言ゲーム型』では起こりがちだった、お客様と我々の間での情報のキャッチボールだけで数カ月を要するようなこともなかった。チームで1つの製品に取り組む強みを十分発揮できたと思う」という。

 これまで黒子的役割を担うことの多かった受託開発・製造企業が、ブランドオーナーの研究パートナーとして前面に立ち、その成果を共同で示す動きは、業界では決して一般的ではなかった。「お客様とともに新しい価値を構想し、その実現まで責任を持つパートナー」を理念に掲げる三生医薬の「共創型OEM」が真に新たなモデルとして定着するかどうかは、今後どれだけの事例が積み重なるかにかかっている。その意味で、今回の取り組みはその試金石と言えるかもしれない。

【石川太郎】

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