ハム・ソーセージなど横断的な表示へ 第2回「個別品目ごとの表示ルール見直し分科会」
消費者庁は18日、第2回「個別品目ごとの表示ルール見直し分科会」(森光康次郎座長・お茶の水女子大学大学院教授)を開催した。5月の第1回開催では調理冷凍食品、2回目となる今回はハム類・ソーセージ、チルドハンバーグなどの食肉製品の定義、表示内容について議論が交わされた。
ハム類の定義見直しにおいてヒアリング対象となったのは、業界団体(一社)日本食肉加工協会。同協会からは、ケーシング(塩漬け肉や練り肉を詰める包装資材)の使用について定義変更の要望が出された。
「ラックスハム(生ハム)などでは定義に合わせるため、わざわざケーシングで包装している現状がある。ケーシングで包装しない原型タイプもハム類の名称が使えるように」というのがその理由だ。
さらに、「ソーセージの定義においては、牛の脂肪層も使用可能とすること、ドライソーセージの定義に加熱の記載追加」なども求めた。これに対して分科会は「現在の製造実態に合わせ定義を変更することには賛成」としながら「表示においては消費者に分かりやすいように」と配慮を求めた。
チルドハンバーグステーキ・チルドミートボールでは、同協会が実施したアンケート調査12社からの回答をもとに議論が進められた。全社から個別ルール廃止の意向が示されたことから、分科会では「個別ルールは横断的な基準に収束させた方が分かりやすい」と結論付けた。
チルド餃子については所管する業界団体がないため、消費者庁から事業者ヒアリングの結果が報告された。個別ルールの廃止については賛否があったものの、調理冷凍食品の基準に合わせることが望ましいとの意見が多数を占めた。
今回議題となった食肉製品については全体を通して、個別の品目ごとの表示ルールを横断的な基準に収束させることが、分かりやすさと製造実態への対応という観点から望ましいとの認識が共有された。しかし、一部の品目については品質の確保や消費者への情報提供の観点から、引き続き検討が必要との意見もあった。
次回の分科会は7月22日に開催予定。その後、これまでの検討結果を食品表示懇談会に報告し、そこでの議論を経て結論が出た食品については、今年度内に食品表示基準の改正案を公表する。
【堂上 昌幸】
関係資料掲載ページはこちら(消費者庁HPより)