ハウス、売上前年比8.6%増 『ウコンの力』が回復基調に
ハウス食品グループ本社㈱(東京都千代田区、浦上博史社長)はこのほど、2023年3月期(22年4月1日~23年3月31日)決算短信を発表した(連結)。売上高は対前年比8.6%増の2,750億6,000万円、営業利益は同13.5%減の166億3,100万円だった。
同社グループは、現在5つの事業セグメントによる事業管理を行っているが、将来的なあるべき姿に向けた戦略面においては、第7次中期計画より掲げる“「食で健康」クオリティ企業への変革<第2章>4系列バリューチェーンへのチャレンジ”というテーマに則り、「スパイス系」、「機能性素材系」、「大豆系」、「付加価値野菜系」の4つのバリューチェーンごとに戦略を立案し遂行している。
世界的な原材料価格やエネルギーコスト、人件費などの上昇に対して、国内外のグループ各社が価格改定や効率化を進めた結果、健康食品事業、海外食品事業外食事業は増収増益となったが、香辛・調味加工食品事業において、価格改定でコスト増を吸収しきれず減益となった影響が大きく、グループトータルでは増収減益という結果となった。
健康食品事業は、国内の構造改革の推進とともに、グローバルな機能性素材系バリューチェーンの早期構築に取り組んでいる。『1日分のビタミン』を中心とするゼリー製品に注力するほか、コロナ禍の影響で苦戦していた『ウコンの力』が回復基調にあることに加えて、固定費削減などの構造改革の努力もあり、3年ぶりに営業黒字を確保した。その結果、同事業の売上高は、同14.5%増の165億2,000円、営業利益は、前期からは20億4,600万円改善し、19億800万円だった。
海外食品事業のタイ機能性飲料事業は、コロナ収束に伴う経済活動再開により、都市部に人流がシフトし、トラディショナルトレードを中心に苦戦したが、為替影響もあり増収増益となった。海外食品事業の売上高は、同25%増の488億7,500万円、営業利益は同2.3%増の53億6,800万円だった。