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ノコギリヤシエキス、初の届出公開 【機能性表示食品届出更新】訴求機能は排尿ケア、対象は中高年女性

 ノコギリヤシ果実エキスを機能性関与成分とする届出を消費者庁が28日、公開した。トイレが近いなど排尿の悩みを抱える中高年男性向け健康食品用原材料として有名だが、これまで届出を公開したことはなかった。届け出されたヘルスクレームは、「日常生活における排尿に行くわずらわしさを緩和」する旨。ただ、中高年男性ではなく同女性に対象を限定している。

 消費者庁は同日、届出情報公開データベースの更新を行い、届出番号I182からI194まで計13件の新規届を公開した。食品区分上の内訳は、サプリメント7件、サプリメント以外の加工食品6件。生鮮食品はなかった。

 ノコギリヤシエキスは、サプリメントの区分で届け出された。「エキス」を機能性関与成分として届け出るために、2つ以上設定する必要のある指標成分は、届け出されたノコギリヤシエキスに含まれる脂肪酸のラウリン酸、オレイン酸のほか、植物ステロールのβ-シトステロールの3成分とされた。ノコギリヤシ果実由来の脂肪酸などを機能性関与成分として届け出ようとする動きが以前から見られていたが、初の届出公開は「エキス」になった。

 届出者は、健康食品など通信販売の八幡物産㈱(鳥取県米子市)。ヘルスクレームの科学的な根拠として、最終製品の臨床試験論文を届け出ている。届出表示の全文は次のとおり。「本品にはノコギリヤシエキスが含まれるので、トイレが近いと感じている中高年女性の日常生活における排尿に行くわずらわしさを緩和する機能があります」。

 ヘルスクレームの根拠となる臨床試験は日本人女性を対象に実施したもの。論文は昨年、『Nutrients』に掲載された。論文タイトルは「Beneficial Effects of Saw Palmetto Fruit Extract on Urinary Symptoms in Japanese Female Subjects by a Multicenter,Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study」。薬学者の山田静雄氏(静岡県立大学大学院薬食研究推進センター長)らが著者として名を連ねている。

 排尿に関わるヘルスクレームを行う機能性表示食品の届出公開はこれで2例目。3年前の2020年6月、クランベリーに含まれるキナ酸を機能性関与成分とするかたちで、「トイレが近いと感じている女性の日常生活における排尿に行くわずらわしさをやわらげる機能があると報告されています」とするヘルスクレームを行う届出が公開されていた。

【石川太郎】

〇23年6月の届出DB更新

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