ニップン、売上11%増 個人消費、インバウンド消費回復で需要増
㈱ニップン(東京都千代田区、前鶴俊哉社長)は6日、2024年3月期第3四半期決算短信(23年4月1日~12月31日)を発表した。売上は、前年同期比11%増の3,049億7,400万円、営業利益は、同88.2%増の180億円だった。
同社グループは、経営理念「人々のウェルビーイング(幸せ・健康・笑顔)を追求し、持続可能な社会の実現に貢献します」の下、国内外での積極的な投資を通じて、事業基盤の強化、事業領域の拡大を図ると同時に、企業としての社会的責任を果たすため、環境負荷低減や人的資本投資などのサステナビリティ課題への取り組みを強化し、企業価値の持続的な向上に努めた。
国内では、愛知県知多市の新たな製粉工場建設着工に向け、昨年10月に地鎮祭を行った。同工場は、DXの活用によるスマートファクトリー化を推進すると同時に、自然災害に強く、省エネ・環境を含めSDGsに配慮した最先端の製粉工場として、26年2月の稼働を予定している。新たな工場建設に加え、神戸甲南工場、伊勢崎工場の設備増強工事など投資を着実に進めた。
海外は、昨年5月に北米でのビジネス拡大のため米国の製粉会社Utah Flour Milling, LLCへ出資した他、9月に再生可能エネルギーの利用を推進するため、NIPPN(Thailand)CO., Ltd.のプレミックスと冷凍生地工場に太陽光発電設備を導入。また、10月には、PT NIPPN PRODUCTS INDONESIAのプレミックス工場が竣工し、引き続きASEAN地域での業容拡大に取り組んでいる。
同四半期の業績は、個人消費やインバウンド消費の回復などによる需要の増加に加え、原材料や各種コストの上昇に伴い実施した価格改定により増収。原材料や各種コストの上昇や拡売のための戦略コストが増加したが、冷凍食品類の販売数量伸長、中食事業の堅調な推移、生産性の改善によるコストダウンなどにより増益となった。