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トリペプチドを機能性表示食品に【コラーゲン特集】ゼライス、ひざ関節から肌まで

 コラーゲントリペプチド。コラーゲンに特有のアミノ酸配列、グリシンを含む3つのアミノ酸で構成されるペプチドのことで、「コラーゲンの最小ユニット」とも言われる。生体内吸収率の向上を目的に、その含有量を規定したコラーゲンペプチドを初めて開発したのが、国内ゼラチン・コラーゲンペプチド製造販売大手の一角を占めるゼライス㈱(宮城県多賀城市、稲井謙一社長)。機能性表示食品対応素材としても販売を進めている。

素材認知度高めるため最終製品販売も

 コラーゲントリペプチドの含有量を規格した「HACP」シリーズの開発、販売開始から20年超が経過した。最終製品販売大手から中小規模企業まで幅広く採用されている同素材が機能性表示食品対応素材になったのは2018年。まずはひざ関節ケアを訴求できるようにしたうえで、肌の健康維持にも領域を広げた。それぞれ科学的根拠は研究レビューで検証。届出サポートにも対応する。

 ひざ関節に対するヘルスクレームは、「日常生活で生じる膝関節の違和感(摩擦音)を緩和する機能」がある旨。一方、肌に関しては「肌の潤いと肌の弾力を維持することで、肌の健康を守るのを助ける働き」がある旨。いずれも、HACPに含まれるコラーゲントリペプチド(GPHyp)に報告されている機能性として表示、訴求できるもので、1日あたり摂取目安量は前者が130mg、後者が30mg。HACPシリーズのうちトリペプチド含有量が最も多いのは45%以上で規格した「HACP-50」で、これを利用すれば、最終製品への配合量を抑えることが出来る。

 同社では近年、HACPの原材料販売とともに、Eコマースを通じた自社ブランド最終製品の販売にも力を入れている。同社で届け出た機能性表示食品を一般消費者に直接、販売しながら、コラーゲントリペプチドの普及啓発を進めている。これにより、コラーゲントリペプチドの消費者認知度を高め、需要を相乗的に拡大させる狙いもある。

 HACP以外にも各種コラーゲンペプチドを製造販売する。生産拠点は、本社およびテクニカルセンターを置く宮城県多賀城市の本社工場と、グループの台湾ゼライス社が運用する台湾工場の2拠点。コラーゲントリペプチドについては主に本社工場で生産する。ゼラチンに関しては、中国・台湾・インドのほか、現在はオランダにも生産拠点を置いている。

コラーゲン需要を実感、「工場フル稼働」

 コラーゲンペプチドの足元の販売状況はどうか。「HACPを含め、ここにきて出荷数量が増えている」と同社営業本部は話す。「他社も同じような状況だと思うが、インバウンド需要の消失で販売量が減少した一方で、特に、昨年後半から大きく回復している。今はほとんどフル稼働の状態で工場を動かしている。以前はなかったことだ」。

 もともと同社のコラーゲンペプチド販売量は、国内最大手のニッピ、新田ゼラチンに次ぐ。そのうえで、ここにきての需要増の背景について同社では、「美容用途の需要が高止まりしている中で、ホエイプロテインの代替として需要が伸びていたり、スポーツニュートリション用途でも利用されるようになったりしていることがある。コラーゲンペプチドの用途が以前よりも広がったということ」(同)と見る。同社でも足元のコスト高に苦しみ、原材料販売価格に転嫁させているが、「有難いことに需要は減らない」。

 ニッピや新田ゼラチンは、海外市場向けでも販売量を伸ばしている。ただ同社の場合は今のところ国内販売が中心。そのため、増加基調にある国内需要も追い風に、今後、北米市場を中心に海外市場の掘り起こしを図る目標を掲げている。HACPを中心にした機能性付加型のコラーゲンペプチドを売り込む方針だ。現在、新製品の開発も進めている。

【石川太郎】

<COMPANY INFORMATION>
所在地:宮城県多賀城市栄4-4-1
TEL:022-361-8821
URL: https://www.jellice.com/
事業内容:各種ゼラチン・コラーゲンペプチドの製造販売、自社開発商品の通信販売

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