デジタル市場競争会議「最終報告」インターネット広告規制へ
政府は27日、デジタル市場競争会議(議長:加藤官房長官)を開催し、インターネットにおけるデジタル広告の規制のあり方について最終報告書を取りまとめた。政府は今後、デジタル広告を「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」の対象に追加し、デジタルプラットフォーム(DPF)事業者に対して取引実態を経済産業相に年1回報告するよう義務付ける。また、継続的に実態調査を行いながら監視を続けるとしている。早ければ来春、関連法令を改正する。
報告書では、DPF事業者が他の事業者に対して問題となり得る行為として、「優越的地位の濫用」、「取引妨害・私的独占」、「排他条件付取引・拘束条件付取引・私的独占」などがあるとした。
また、消費者に対しては、利用目的を知らせずに、あるいは利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取得するなどの「優越的地位の濫用」を挙げた。
さらに媒体社間競争において、取引の不透明性、コンテンツ提供にかかわる不透明性や競争の変化による消費者への影響などについて、「広告枠の価値がインプレッション数やクリック数によって評価される傾向にあると、アクセス数を稼ぐことができるコンテンツ作成にインセンティブが生じる」などの問題を取り上げている。
今後は、特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律に「デジタル広告分野を追加するなど、必要となるルール整備を進めていく必要がある」とした。
具体的には、多くの広告主やパブリッシャーが利用せざるを得ない大規模DPFに対し、「アドフラウドなどのデジタル広告の質に係る説明責任を徹底し、第三者測定ツールの接続条件の開示」、「オーディエンス・データの取得・使用条件の開示」、「利益相反・自社優遇管理方針の策定と開示」などを求めていく方針。