ツバキ種子抽出物の血流促進効果
ビーエイチエヌ(株)(東京都千代田区、石原健夫代表)は、ツバキ種子抽出物の血流促進作用について調査した結果、血管内皮細胞のNO産生促進作用、ヒトでの血流促進作用とそれによる温熱効果などが示唆されたと発表した。研究成果は第74回日本栄養・食糧学会で発表(新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から集会は中止し、ホームページ上での掲載により発表)された。
<ツバキ油搾油後の油粕を有効活用>
【目的】血流の低下は、疲労、むくみ、肩こり、冷え性などのさまざまな症状を引き起こすことが知られている。血管内皮細胞で産生される一酸化窒素(NO)は、血管弛緩作用を持つ。そのため、NO産生促進を介した血流改善による抹消の体温維持効果(温熱効果)は、これらの症状の緩和に有効であると考えられる。
ツバキ(Camellia japonica)はツバキ科ツバキ属の植物であり、ツバキ油は食用油や整髪料として使われている。しかし、その絞り粕(油粕)の多くは産業廃棄物となっており、有効活用が行われていない。本研究では、ツバキ油粕熱水抽出物(ツバキ種子抽出物)による血管内皮細胞のNO産生促進作用、ヒトでの血流促進作用と温熱効果を調べた。
【方法】実験1:NO産生促進作用の検討(in vitro)
ウシ大動脈内皮細胞(BAEC)を12ウェルプレートに播種し、一晩培養した。その後、ツバキ種子抽出物を添加し、6時間培養後、培地と細胞を回収した。
実験2:血流促進作用の検討(ヒト試験)
44~65歳の中高年の男性6人(平均年齢51.7歳)に、ツバキ種子抽出物200mg(ハードカプセル2粒)を摂取させるオープンラベル試験を行った。レーザードップラー血流計(Peri Scan PIMⅡ/Perimed社製)を用いて、摂取前、摂取30分後、60分後の右手の平均血流量の画像・数値解析(単位:V)を行った。測定環境は温度24±2℃、湿度50±10%だった。
実験3:温熱効果の検討(ヒト試験)
24~48歳の冷えを自覚する女性6人(平均年齢29.5歳)に、プラセボまたはツバキ種子抽出物300mg(ハードカプセル2粒)、類似の他社素材の3品をそれぞれ摂取させた。摂取30分後に冷却負荷(20℃の水に1分間、手首まで浸漬)を行い、冷却負荷前、負荷後5分ごと、30分までサーモグラフィーを用いて手指表面温度を測定した。
<ヒト試験で効果を確認>
【結果・考察】実験1:BAECにおいて、ツバキ種子抽出物添加により濃度依存的にNO産生が増加し、その効果はeNOS(内皮一酸化窒素合成酵素)阻害剤により脆弱した。
実験2:中高年男性6人を被験者として実施したヒト試験では、ツバキ種子抽出物を摂取する前の平均血流量の相対値は1.09±0.26Vだったが、ツバキ種子抽出物摂取30分後は1.16±0.25V、60分後は1.18±0.30Vと血流量が増加した。また、手の平均血流量が6人中5人で増加していた。
実験3:女性6人を対象として実施したヒト試験では、冷却負荷後の手指表面温度の回復はプラセボ群と比較して、ツバキ種子抽出物と温熱効果で訴求している他社素材の摂取によって、手指表面温度が高くなることを確認した。また、手指表面の温度変化率を見ると、ツバキ種子抽出物は20~30分後に、プラセボ群との間に有意差が認められた。
以上のことから、ツバキ種子抽出物は血管内皮細胞でのNO産生の増加を介した血流促進作用によって、温熱効果を発揮することが示唆された。
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