チラシの「お勧め商品欄」による影響、健康志向食品で顕著に~消費者庁
商品チラシに「お勧め商品欄」を設けることにより、消費者の購買行動に変化が表れることが21日、消費者庁の社会実験プロジェクト(中間報告)でわかった。
同プロジェクトは、行政が行う情報提供がもたらす消費者の行動への影響や、効果的な情報提供のあり方の把握が目的。今後の広報活動に活用するための基礎資料とする。消費者庁では、とくしま生協の購買データを活用して、情報提供の違いによって商品の購買行動にどのような変化が生じるかを実験中。12月までに終了し、来年3月をめどに報告書を取りまとめる。
実験は、とくしま生協を利用している消費者2,448人を対象に実施。ランダムに2つのグループに分け、一方のグループには「お勧め商品欄」ありのチラシを配布(介入群)、もう一方のグループには「お勧め商品欄」なしのチラシを配布(対照群)し、対象とした9商品の購買行動に差が出るかどうかを検証した。
お勧め商品のテーマは、9月が「カロリー摂取とBMI」(『カル鉄低脂肪乳』、『産直PHF若鶏 スジとりササミ』、『菌床生しいたけ(徳島県産)』)。10月は「朝食の大切な働き」(『1日分の鉄分ヨーグルト』『さんまみりん干』、『充てん絹ごしとうふ』)、11月は「おやつの食べ方・選び方」(『食塩不使用 ミックスナッツ(徳用)』、『毎日鉄&Caウエハース』、『茹でうま野菜調理容器』)を設定した。
実験の結果、チラシ配布直後(1週間)の購買率の変化を見ると、介入群では9品中5品で購買率が増加した。特に『カル鉄低脂肪乳』、『1日分の鉄分ヨーグルト』、『毎日鉄&Caウエハース』については、有意水準1%でも有意差が認められた。さらに、この3商品では持続的な効果も示唆された。
今回の結果から、チラシに「お勧め商品欄」を設けることで、消費者の購買行動が変化することがわかったと考察している。