タンパク質の構造形成を助ける薬剤を開発
東京農工大学大学院は14日、東北大学学際科学フロンティア研究所などと共同で、タンパク質が正しく機能するために不可欠な酸化的フォールディングというステップをグルタチオンよりも高い効率で促進する低分子「グアニジンチオール(GdnSH)」を開発したと発表した。研究成果は、英国王立科学会の「Chemical Communications誌電子版」に掲載された。
細胞内では、免疫グロブリンやインスリンなどの生体機能維持に必要なタンパク質が大量に生産される。タンパク質が正しく機能するためには、酸化的フォールディングと呼ばれるジスルフィド結合形成を伴う立体構造の形成が欠かせないという。
GdnSHは、グアニジノ基とチオールを組み合わせたことで、グアニジノ基の正電荷がチオール(SH)を負電荷のチオレートアニオン(S-)に変化させやすくしていた。この性質により、GdnSHが高効率な酸化的フォールディング促進剤として働くことを突き止めたとしている。