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タキシフォリン、肥満抑える可能性 マウス試験、京都医療センターなど研究チームが論文

 シベリアに自生するダフリアカラマツやアザミなどの植物に含まれるポリフェノールの一種、タキシフォリンに、肥満や肥満と合併するNASH(非アルコール性脂肪肝炎)を予防するなどの働きを持つ可能性のあることが、マウス試験で確認された。

 国立病院機構・京都医療センター、名古屋大学環境医学研究所、東京医科歯科大学などの共同研究チームが確認し、20日までに発表したもので、現在、「ヒトへ投与できる医薬品としての開発」を目指し、臨床研究に進む準備を進めているという。

 京都医療センターらの発表によると、高脂肪食負荷肥満モデルマウスやNASHモデルマウスを使った研究で、肥満や肝がんに進展する可能性もあるNASHに対する予防効果などを見出した。肥満に対する働きに関しては、ヒトiPS細胞から作成した、熱産生を亢進される褐色脂肪細胞の活性化や、エネルギー代謝更新作用のあるホルモンの一種、FGF-21の増加が認められたという。研究成果をまとめた論文は今月10日、栄養学分野の学術誌『Nutrients』に掲載された。

 研究チームは発表で、「(現在のところ)NASHの治療を主目的とする確率された治療薬はない」として、今回の研究成果の意義を強調。今後も研究を続け、タキシフォリンのヒトに対する効果や臨床的意義を解明することに意欲を示している。

 発表によれば、この研究チームは植物由来のタキシフォリンについてこれまでに、その摂取によって認知機能の低下が抑えられる可能性のあることを報告している。認知症モデルマウス(脳アミロイド血管症モデルマウス)を使った研究成果を論文発表したもので、脳内血流量の改善や脳内アミロイドβ量の減少などが確認されたという。

 なお、Nutrients誌に掲載された論文のタイトルは、「Novel Therapeutic Potentials of Taxifolin for Obesity-Induced Hepatic Steatosis, Fibrogenesis, and Tumorigenesis」。京都医療センター臨床研究センターの浅原哲子研究部長(内分泌代謝高血圧研究部)らがまとめた。

【石川 太郎】

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