＜メカニズムも体験談も架空＞

　ジュースを飲んだり、クリームを塗ったりするだけで劇的に痩せるなど、事実と異なる表示によって商品を販売したとして、消費者庁は28日、ネットショップを運営する（株）Growas（大阪市淀川区、菅井直樹代表）に対し、景品表示法に基づく措置命令を出した。

　同社は自社のウェブサイトで美白クリーム、ボディークリーム、粉末ジュース、サプリメント、加圧シャツの5商品を販売する際に、嘘の著しい効能効果をうたっていた。

　粉末ジュース『クレンズスプラッシュ』については、「1日1杯この『激痩せジュース』を飲むだけで『痩せる』事を可能にしました」と表示し、25日間の飲用で体重が19kg減少したとする事例などを掲載していた。

　スピルリナを配合したサプリメント『ノンファットタイム』では、「太る時間なんて作らせない！」、「－30kgを目指す肥満度MAXの方」などと表示。ボディークリーム『バブリアボディ』でも、「溜まった脂肪を分解！」「脂肪細胞を小さくする」など、使用するだけで著しい痩身効果を得られるとうたっていた。

　消費者庁では、「メカニズムや体験談は、同社が作った架空のものだった」（表示対策課）と説明している。

　さらに、加圧シャツを除く4商品については、実績のない「通常販売価格」や設定されていない「メーカー希望小売価格」から、大幅に割り引いた価格を「特別価格」などと称して表示していた。

　消費者庁は表示の根拠を示す資料の提出を求めたが、同社から提出されなかったという。このため、5商品の表示を景表法違反と認定。同社に対し、違法な表示内容であったと一般消費者へ周知することや、再発防止策の構築などを命じた。

　取材で同社にコメントを求めたが、「担当者は不在」という。

（写真：違法な表示を行っていた5商品）