ジャニーズ「性加害問題」の波紋(4) 「悪いのは事務所」タレントに同情の声も
故ジャニー喜多川氏の性加害犯罪を受け、ジャニーズ事務所との広告契約をめぐっては、同事務所からのスポンサー離れが進む一方で、アフラック生命保険のように、ジャニーズ事務所との契約は終了するものの、個人契約については契約の更新などの可能性を探るなど、独自の方針を模索する企業も出始めているようだ。
同社は、「所属タレントに非があるものではなく、彼らの活躍の場が奪われてしまうことは遺憾」という見解を示している。
きのう(14日)掲載した「ジャニーズ性加害問題の波紋(3)」では、テレビCMにKis-My-Ft2を起用している「サッポロ一番みそラーメン」シリーズに言及した。サンヨー食品の対応を紹介したところ、大きな反響を呼び、X(旧ツイッター)にポスト(旧ツイート)した記事の表示回数は1日で35万回を超えた。コメントの中で圧倒的に多かったのはCM中止を憂えるファンからの声だが、中には「出演タレントが何かしたわけじゃないのにね。悲しいなぁ」、「一番守るべきものは、何なんでしょうね」――などのタレントに寄り添う声もあった。
スキンケアブランド『パーフェクトワン』と『パーフェクトワンフォーカス』のCMに中島健人さん(SexyZone)を起用している通信販売会社・新日本製薬㈱(福岡市中央区、後藤孝洋社長)は、ウェルネスデイリーニュースの取材に対して以下のとおりメールで回答した。
「当社グループは、人権を尊重し、いかなる差別やハラスメント等を許さないとするコンプライアンス基本方針を掲げて企業活動を行っており、全てのパートナー企業に対しても、コンプライアンスを遵守した経営に取り組まれることを望んでいる。当社が起用しているタレントの仕事に対する真摯な姿勢やブランドへの愛情、お客さまへの心遣いや振る舞いに対して当社としては大変感銘を受けていただけに、この度明らかとなった性加害の事実とこれまでの事務所の対応については誠に遺憾」とタレントに対する同情を示している。
そして今後、「新経営体制の下で、被害者に対する十分な救済措置が最優先で講じられ、再発防止特別チームが提言した再発防止策への取り組みの状況を注視した上で、対応については検討し判断したい」と結んでいる。
国分太一さんを『麻婆茄子の素』のCMに起用している丸美屋食品工業㈱(東京都杉並区、阿部豊太郎社長)は取材に対し、「今後の対応については、見直しも含め、各種の実務作業が必要となる可能性もあることから、現在慎重に検討中」という。
井ノ原快彦さんを『森永トリプルヨーグルト』のCMで起用している森永乳業は取材に対し、「現在、広告物・販促物へのジャニーズ事務所タレントの起用を順次、取り止めている。当社としては、性加害をはじめいかなる人権侵害も許容できるものではない。 タレント起用については、事務所において問題解決に向け、適切な対応がとられることを弊社として確認できなければ、契約期間満了後、更新を行わない」と毅然とした態度を示している。
(つづく)
【田代 宏】
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