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ザ・インタビュー 令和の新世界を拓くカンパニー~豊富なエビデンスを基盤に伸長(後)

ニチモウバイオティックス(株) 代表取締役社長 天海智博 氏

<総合的なブランド戦略を打ち出す>

 ――新商品や近年の新たな取り組みについては?

 天海 創立20周年の記念商品として、今年2月に独自成分「麹多糖」を配合した自社ブランドの化粧品『アトピスADクリーム』を発売した。昨年、こうした商品を開発・販売するために、東京都化粧品製造販売業の許可証も取得した。『アトピスADクリーム』は、「イムバランス」から麹多糖を抽出・精製し、それを主成分としたスキンケア商品で、乾燥肌に悩む方や肌を健康に保ちたいというユーザーに向けて商品化したものだ。

 創立20周年のトピックとしては、もう一つある。今年7月1日から、新たなブランド戦略を打ち立てる方針だ。「アグリマックス」を主成分に据えたサプリメントとして『イソラコン』や『ライフマックス』などがあるが、さらなる連携を強化するためにブランド戦略を図ることにした。女性向け、男性向け、年代の悩みに対応した商品を展開していく。

 また、天王洲アイルにあるオフィスもさらなる事業拡大のため、6月末には移転し、7月1日から新事務所で業務を開始する。社員数も増えてきたことから、もう少し広いスペースで業務を行った方がより効率的に、また快適に働いてもらえるのではないかというのも狙いの一つだ。折しも働き方改革が叫ばれている令和の新たな時代性に沿っていこうということでもある。

<親会社との一括仕入れや共同研究も構想>

 ――プロモーション計画や販売戦略はどうか?

 天海 商品には3つの販売ルートがあり、医療機関向けは学会や医学コンベンションなどの機会にPRし、薬局向けは訪問営業、そして一般向けは通販サイトを運営している。

 過去には紙媒体やBSなどのテレビで宣伝したことや、新聞の一面を使って広告を出したこともある。今ではDM、テレマーケティング、オンラインショップ、ランディングページ、SNSなど、お客様にアプローチする手段が豊富になった。しかし、当社の商品に限って言えば、「確かな品質の製品」「エビデンスが認められた製品」をお客様にお届けする姿勢は、時代が変わっても、手段が変わっても、変わらない根幹である。

 ――ニチモウ本社とのシナジー戦略はどのように図っているのか。

 天海 本社が持っている水産物からEPA、DHA、マリンコラーゲンなどの機能性成分を取り出すことも含めて、従前よりもさらに緊密に連携を図っていくつもりだ。また、我々の原材料をニチモウ本社の一括仕入れから確保することも、シナジーの一つになると考えている。ただ、温暖化の影響で以前のような漁獲高はなく、原材料の在庫を保持していくこともなかなか難しい時代となった。経営面からは、予めこの時期にこれだけの在庫があるという予測を立てられなければ、事業計画そのものが成り立たない。そうした課題が残されている。

 今の世の中、エビデンスがなければ健康食品は売れなくなってきている。例えば、資金力が豊富な会社が話題性のみに任せて商品を作ったとしも、決して長続きしない。当社としては親会社と共同研究を行い、品質の高い確かな商品をお客様に購入していただくことで、当社の商品に対する信頼性を確保し、ブランド力を上げていくつもりだ。

 時間はかかるだろうが、そうしたかたちで利益が上がれば、長期にわたって企業活動を続けていくことができる。既に親会社を通じて商品の販売もしており、ほかのさまざまな面でもこれまで以上に連携し、シナジー効果を出していけるように努力するつもりだ。

 ニチモウは100年続く企業だけに、もちろん売上や利益など求められる指標は厳しいが、一方で世の中に確かな品物を提供するという使命感を強く持っている企業である。そのため、ニチモウ製の漁網は世界中で品質の高さが称賛されている。今後もグループ企業として、お客様に確かな品質にこだわった商品を提供していく。

<毎日1万歩以上の歩行と食事量のコントロール>

 ――最後に、天海社長が健康維持のために実践されていることは?

 天海 私は、上海第二医科大学を卒業して医師となった。92年に来日し、その後は順天堂大学で輸血学などの基礎研究を行い、それで日本の医学博士号を取得した。たまたまニチモウにバイオティックス部門が立ち上がって、声をかけてもらったご縁から始まり、今はこうして社長を務めている。

 大学でどのようなことを研究していたかと言うと、具体的には自己輸血に関する研究である。健康なときに、計画的に血を一定量抜き取って冷凍保存し、それを後から自分に戻すと、自分の血だから拒否反応が出ない。そして、赤血球は最長20年間保存できる。しかし実際には、外科手術のために他人の血液を使用する事例は相変わらず多い。自己血の輸血の割合が高いほど、その国の医療や生活者の健康レベルは豊かになる。いずれにしても、健康なときに自分の血液を保存しておき、将来の外科手術に備えることが当たり前になればと期待している。

 自身の健康維持については、日々忙しくしており、ゴルフに行く時間も持てず、なかなか運動することもできない(笑)。そのため、毎日1万歩以上は歩こうと決めて、もう15年もそれだけは続けてきた。台風や大雨の日を除いて、小雨程度なら傘をさしながら、会社から自宅までの道のりを一駅前で降りて歩くようにしている。日によっては2駅歩くことも。そしてエスカレーターなどもなるべく使わないで階段を使うようにしている。そのほか、食事の量をコントロールするなど“健康食品業界で活動している身”という意識を持って生活している。

 ――ありがとうございました。

【聞き手・文:堂上 昌幸】

(了)

(前)/

<プロフィール>

 1984年上海第二医科大学卒業。92年に研究のために来日し、順天堂大学医学部で輸血学を学ぶ。末梢血幹細胞の保存と移植を研究し、医学博士号を取得。99年ニチモウ(株)に入社。新規事業部門として新設された「バイオティックス事業部」で、発酵大豆の研究と商品開発に取り組む。2013年にニチモウバイオティックス(株)の代表取締役社長に就任。現在に至る。

<企業概要>

所在地:東京都港区浜松町1-6-15VORT1(1はローマ数字) ※今年7月1日から

(旧所在地:東京都品川区東品川2-2-20から移転)

TEL:03-6478-5051(代表)

E-mail:nbkinfo@nichimo.co.jp

事業内容:健康食品素材と健康食品・化粧品の製造、販売

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