サントリーホールディングス㈱（大阪市北区、鳥井信宏社長）はきょう2日、都内で記者会見を開き、同社代表取締役会長の新浪剛史氏が1日付で辞任したことを明らかにした。
　この件は、新浪氏によるサプリメント購入を巡り警察の捜査が行われたことに端を発しており、現在、捜査中。会社側は「違法性の有無ではなく、疑義が生じたこと自体がトップに求められる資質を欠く」と判断したと話している。

　同社によれば、先月21日深夜、新浪氏から自身が購入したサプリメントに関し疑義が生じているとの一報があり、翌22日昼に警察による捜査が行われたとの連絡があった。会社は即日、リスク検討会を招集し、外部弁護士によるヒアリングを実施。その後、臨時取締役会や全取締役・監査役による協議を経て、帰国した新浪氏本人との協議で辞任の申し出を受理したという。

　鳥井信宏社長は、「サプリメントに関する認識の甘さは代表取締役会長の任に堪えない」と強調。山田憲一副社長は経緯を詳細に説明し、「8月28日の協議では全員一致で辞職協議を決定した」と明かしている。

　会見では、外部役職や業績への影響、株主・消費者への説明、損害補償請求の可能性などが問われた。会社は「捜査中につき詳細は控える」としつつ、「全社一丸となって信頼回復に取り組む」と繰り返した。また、問題のサプリメントはサントリー製品ではないことを明記した理由について、「フェイクニュースを防ぐため」と説明した。

　佐治信忠会長は「誠に残念」とコメント。鳥井信宏社長も「二人三脚での経営を予定していただけに残念」と述べた。

　同社は昨年12月の売上は、1,495億5,600万円のガリバー企業（東商調べ）。サプリメント分野でも年商1,136億8,400万円（同）。