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サプリのGMP義務化求める強い声 厚労省担当官、「検討進めたい」と応じる

 健康食品の相談に応じられるアドバイザリースタッフを育成する(一社)日本食品安全協会(長村洋一代表理事)が30日にオンライン開催した講演会で、錠剤やカプセルなど、通常の食品とは異なる形状を持つサプリメントの安全性や品質を確保するために、諸外国と同様、GMPの義務化を強く求める声が上がった。この声に対し、健康食品の安全性確保をテーマに講演した厚生労働省の担当官は、「どういった制度で対応していくべきか、検討を進めていきたいと思っている」と応じた。

輸出が重要な局面 海外と「歩調を合わせる必要」

 米国など諸外国と同様にサプリメントを定義付けた上でのGMPの制度化、義務化の必要性を強く訴えたのは、健康食品GMP認証機関、(一社)日本健康食品規格協会(JIHFS)の池田秀子理事長。「健康食品の安全性と品質に関する国内外の情勢と今後」と題した講演を行い、天然物から抽出、濃縮したり、化学的に合成したりした多様な原材料を用いる「サプリメント形状の食品に対してGMPを義務化し、海外と歩調を合わせる必要がある」と訴えた。

 池田氏は講演で、海外諸国では、サプリメントを定義付けるとともに、その安全性と有効性を担保することを目的にした製造・品質管理のために、GMPを制度化、義務化している現状を、米国、欧州、ASEAN(東南アジア諸国連合)などの事例を挙げながら紹介。最終製品だけでなく原材料についても、安全性と品質を一定レベルで保障するための法的制度が運用されている実情も併せて伝え、米国の「新規ダイエタリー成分」(NDI)や韓国の「新規機能性食品原料」などと同様に、国として安全性を評価し、品質を保障する制度が日本にも求められると説いた。

 池田氏はまた、「サプリメントの輸出が日本企業にとって重要な時代になっている」と指摘。そのうえで、「第三者認証による我が国のGMP認証が、海外においても問題なく受容されるよう、国による更なるサポートが必要な状況だ」と述べ、国内で製造されたサプリメントの海外輸出を促進するためにも、国際的に受け入れられるGMP認証体制の構築が求められると訴えた。加えて、GMP認証機関の指定方法やGMPに関する規範のあり方などを改めて検討するよう、厚生労働省に求めた。

世界的な流れ 「義務化は当然でないか」

 池田氏の講演を受け、日本食品安全協会の長村代表理事が、「サプリメントに対するGMPの義務化は、世界的な流れを見ても当然ではないか」と意見を述べた。それに対し、池田氏の前に講演していた、厚生労働省・新開発食品保健対策室(食品基準審査課)の一色聡志・健康食品安全対策専門官は、「我われとしても、国際的な流れに揃えていく必要があるというお話は理解している」とし、「どういった制度で対応していくのがいいか、検討を進めていきたいと思っている。引き続き情報交換をさせていただきたい」と応じた。

 一色氏はまた、一般食品に近い形状での流通も見られる昨今のサプリメント・健康食品の実情を踏まえ、「サプリメントだけを(GMPで)規制するという形では対応しきれない可能性もあると思っている。どういった形をとるのがいいのか、かなり議論が必要になると思う。時間はかかるかもしれないが、検討していきたいと思っている」などと述べ、サプリメントなど健康食品の制度化に向けた意欲を示した

 なお、一式氏はこの日、「いわゆる『健康食品』の安全性確保に関する厚生労働省の取り組み」をテーマに講演した。

【石川 太郎】

(冒頭の写真:池田氏の講演終了後、サプリメントのGMP義務化の必要性を指摘した日本食品安全協会の長村洋一代表理事。この日の講演会は、会場も使用するハイブリッド形式で行われた)

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