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コロナ禍に立ち向かう受託各社の対応~「免疫」機能表示が追い風に(前)

改正食品衛生法の下、受託工場には、指定成分を含む食品の製造・品質管理の強化やHACCPの制度化が義務付けられた。機能性表示食品の届出公表が相次ぐ中、事後チェック指針への対応も迫られる。コロナ禍の受託試験では、医療機関や被験者との接触機会を遮断するために、リモートによる臨床試験サービスの導入が求められている。厳しさを増す業況のなかにありながら、「免疫」機能表示へ向けた意欲が各社を駆り立てている。

<改正食衛法施行に対応>
 
 昨年6月1日、食品衛生法が改正された。今回の改正では、7つのポイントのうち①「指定成分等を含む食品の健康被害情報の届出の義務化」、②「HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の制度化」、③「食品用器具・容器包装にポジティブリスト制度を導入」、④「輸出入食品の安全証明の充実」の4つが施行された。指定成分を含む健康食品を製造する工場には健康食品GMPが義務付けられた。
 
 ウェルネスニュースグループ(WNG)では今回、食衛法改正について受託製造企業120社にアンケートを取った(有効回答数は62社、回収率は51.6%)。
 法改正に対して、製造を受託する企業は、「健康被害を未然に防ぐことができるため、消費者・業界にとって良い制度だと思う」、「健康被害情報の報告制度ができることで手続きが統一されて分かりやすくなるので良い」、「指定成分は有効性と健康被害の双方あるため、健康被害が出た場合にいち早く影響範囲を特定できる」として評価する声が多い。

 一方、「その指定成分が危険であれば、いくら品質管理を行っても危険であると思われる」、「風評被害のリスクが懸念される」として評価しないという声や、「これからどのような影響が出てくるのか分からない」、「制度の中身を社内で協議中」という理由で、「どちらとも言えない」とする見方も多かった。

<第1次「緊急事態宣言」は影響なし>

 昨年4月、コロナ禍のなか、最初の緊急事態宣言が発令された。WNGが受託製造企業各社に対し「売上や業務に対する影響」、「勤務体制」などについて緊急アンケートを実施したところ、在宅勤務にともなう勤務シフトや、海外原料の輸入停止など一部業務への影響は出ていたものの、健康食品関連企業への影響は比較的軽微だった。かえって、巣ごもり需要や消費者の健康意識の向上が追い風となり、売上を伸ばす通信販売事業者が少なくなかった。
 そうしたクライアントの製造を請け負う受託企業からは、「業績の影響なし」、「増加した」という回答が大半を占めた。

<第2次「緊急事態宣言」で長期化懸念>

 今年1月7日、首都圏を中心とした11都府県に、新型コロナウイルス対策で2回目となる緊急事態宣言が発令された。前回の緊急事態宣言から継続して、在宅勤務や工場間の移動制限、工場への外部からの訪問停止などの対応を取る受託製造企業は多く見られたが、今回の宣言を受け、東京で開催された展示会への出展を控えるなど、改めて対策を強化した企業が多かった。

 「コロナ前と比べて、新商品や新データの案内が困難。顧客の新商品開発の中止や延期、展示会の中止などが影響し新規獲得機会が落ちた」、「積極的な営業活動ができず、新規顧客の開拓だけでなく、既存顧客への新商品提案もペースが落ちてしまった」という声が聞かれた。国内の落ち込みを海外への輸出で補っていたOEM受託も少なくなかったために、東アジア、欧米を中心とした海外輸出の部分的な減少の影響など、コロナの長期化がもたらす業績への打撃を懸念する声もある。ここぞとばかり、外資系企業による受託企業の買収の話が本格化しているとの話も。

<オンライン化で商談ペースが加速>

 コロナ禍で、これまでの展示会などの対面を中心とした営業から、オンライン商談やオンライン展示会にシフトする動きが見られる。
 「1度の商談で、営業担当だけでなく開発担当者も同席し、結論までのプロセスが早まった」とする受託製造企業や、「海外を含めた遠隔地との商談に注力している」として、現状を前向きにとらえる事業者もある。また、自社のウェブサイトや、外部の動画コンテンツを使ったPRなどを取り入れる事業者も増加している。オンラインとリアルを融合した展示会も始まった。

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