コロナウイルスなどを除去と標ぼう 消費者庁、除菌スプレー販売のゼンワールドに措置命令
プラチナチタン触媒技術に関連する製品の開発、製造、販売を行う㈱ゼンワールド(静岡市駿河区、松井延之社長)に対して消費者庁は27日、景品表示法に基づく措置命令を行った。
同社は、一般消費者が自ら住宅の居室などの窓ガラス(室内側)に塗布して使用するプラチナチナタン触媒(光触媒)を用いた『エアープロット』という除菌スプレー(ガラスコーティングスプレー)の製造・販売と、それを使った同社を含む施工業者によるガラスコーティングサービスを提供。
2022年6月20日から7月18日までの間、「AIRPLOT® エアープロット」という自社ウェブサイトと、同サイト内でクリックすると再生される「エアープロットシステムのご案内」という動画に、あたかも同品を居室などの窓ガラスに塗布すれば、花粉、アトピー性皮膚炎、喘息の原因物質、新型コロナウイルスを含むウイルスを分解除去し、室内の空気を浄化する効果が得られるかのように示す表示を行っていた。
また、同日から期間は異なるが一定期間、Yahoo!ショッピング内に開設した「ゼンワールドYahooo!店」、楽天市場内に開設した「エアープロット」、BASE内に開設した「ゼンワールドショップ」という販売サイトにおいても、同様の表示を行っていた。
なお、同社ウェブサイトによる新型コロナウイルスオミクロン型に対する効果に関連する表示は22年12月26日から23年3月31日までだったが、それ以外の表示は、現在も行われている。
消費者庁は、同社から提出された資料は、いずれも同表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められなかったとして、これらの表示が景品表示法第5条第1号「優良誤認」に該当するとし、同法第7条1項に基づき措置命令を行った。
同社の松井社長は取材に対して、「一部受け入れ難い点はあるが、反論するつもりはない。『室内の空気を浄化する』という表示を改めると同時に、後日、社告を出す」と回答した。
【藤田勇一】
(冒頭の写真:消費者庁発表資料より)