コロナの真相(20)~これからどうなるのか?
(公財)食の安全・安心財団理事長 東京大学名誉教授 唐木英明
●今後を予測するために、各国の状況を比較する。
日本は第4波が収まりつつある。ワクチン接種はまだ16%だが高齢者の6割が少なくとも1回の接種を終わっている。
〇英国は接種率が63%と高く、感染者はこのところわずかに増加しているが、死者はゼロに近づいている。感染者の増加は感染予防効果が変異型では弱いことを示すのだが、無症状や軽症の感染者が多少増えることは社会経済活動に支障がない。米国は接種率が53%。第4波は小さく、感染者も死者もゼロに近づいている。スェーデンは接種率が39%。感染者は多かったが死者は少なく、ゼロに近づいている。どの国もワクチンの効果が現れている。
●第5波は8月ごろと予想される。夏季なので感染のピークは小さい可能性があるが、感染力が強い変異型が主流になると、第4波と同程度になる可能性もある。
各国の状況を見ると、7月までに高齢者のワクチン接種が終了すれば、感染者は増えても重症者と死亡者は大幅に減るだろう。
〇欧米では、ワクチンで性転換が起こるとか、マイクロカプセルが入っていて政府に人格を支配されるなどのトンデモ情報が広がり、接種拒否が増えているという。集団免疫を達成するために、日本でも慎重で丁寧な対応が必要である。
<著者プロフィール>
1964年東京大学農学部獣医学科卒。農学博士、獣医師。東京大学農学部助手、同助教授、テキサス大学ダラス医学研究所研究員などを経て東京大学農学部教授、東京大学アイソトープ総合センターセンター長などを歴任。2008〜11年日本学術会議副会長。11〜13年倉敷芸術科学大学学長。専門は薬理学、毒性学、食品安全、リスクコミュニケーション。
※「コロナの真相」は、唐木英明氏のフェイスブックからの転載です。