コラーゲンの消費が伸長傾向
原材料販売大手の第3四半期 関連事業売上が2ケタ増
懸念は輸入原料価格の上昇
サプリメント・健康食品の定番素材、コラーゲンペプチドの消費が伸びているようだ。
コラーゲンペプチド製造・販売国内大手の㈱ニッピ(東京都足立区、河村桂作社長)が8日発表した2022年3月期第3四半期決算短信によると、コラーゲンペプチドなどゼラチン関連事業の売上高が前年からおよそ20%増加。また、コラーゲンペプチド配合健康食品などの通信販売を行う化粧品関連事業は2ケタの増収増益で着地した。
「国内市場の健康志向を背景に健康食品向けを中心に回復」、「海外市場向けにおいては拡販施策におる北米、東南アジアへの出荷が増加」。第3四半期のペプタイド(ペプチド)販売の動きについて同社は決算短信でこう説明。結果、ゼラチン関連事業の売上高は前年同期比19.8%増の76億5,700万円と2ケタ増だった。
ゼラチン販売も増収。グミ、惣菜、カプセル用途が回復した。しかし営業利益は0.8%増の4億2,500万円と微増にとどまった。輸入原料価格の上昇などを受けて「採算面は鈍化傾向」だったとしている。
健康志向の高まりで『ニッピコラーゲン100』好調
一方、業績がより好調に推移したのは化粧品関連事業だ。同期の売上高は16.5%増の44億5,300万円、営業利益は53.2%増の4億2,600万円と、2ケタの増収増益で着地した。化粧品は前期(21年3月期)並みで推移。その上で、「引き続き健康志向の高まりと通信販売の優位性」を背景に、コラーゲンペプチド配合健康食品『ニッピコラーゲン100』が好調に推移した。
前期のゼラチン関連事業の業績は、前期比8.5%減の91億1,900万円、営業利益は68.7%減の2億7,300万円と減収減益。コラーゲンペプチドの消費回復などを受けて今期は大幅な増収に転じそうだ。一方、前期の化粧品関連事業の売上高は12.2%増の約52億円だった。
【石川 太郎】