ゲノム編集食品で集会、消費者団体が4省庁に署名提出
遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン(天笠啓祐代表)などの3消費者団体は29日、署名提出緊急院内集会を衆議院第一議員会館で開催した。ゲノム編集食品の栽培規制や安全性審査などを求めた約200万人分の署名を厚生労働省や環境省などの4省庁に提出した。
同キャンペーンの天笠啓祐代表は、「遺伝子操作による食品は消費者が望んだものではなく、止めてほしいのが本音。特にゲノム編集技術により遺伝子が切断された食品が野放しになってしまう」と署名提出の趣旨を説明した。
集会では、3団体から提出された質問に対し、関係省庁の担当官が回答した。天笠氏は「遺伝子操作の過程で生じる意図しない遺伝子や細胞の変化、エピジェネティック(DNAの配列変化によらない遺伝子発現など)な変化など、遺伝子以外に変化が起きることもあり、有害な影響がある可能性がある」と詰め寄った。それに対し、厚労省の担当官は「ゲノムを切断した時のDNAのズレによる影響や、エピジェネティックな変化による有害な影響などは、従来の育種技術でも起こり得る範囲内と報告書(案)にまとめている」と答えた。
また、表示について消費者庁の担当官は、「表示を検討するには、食品の生産や製造流通の実態を踏まえ、消費者ニーズ、事業者の実行可能性や監視の可能性、国際整合性などを総合的に勘案し、表示制度として円滑に運用が可能かどうかの考察が必要」と述べた。
(写真:消費者団体から署名を受け取る農水省の担当官)