キユーピー、生タマネギの辛味成分を低減させる新製法を発見
キユーピー㈱(東京都渋谷区、長南収社長)は7日、超高圧処理を応用して、生タマネギ特有の辛味を低減しながら、生の食感を維持する方法を発見したと発表した。研究結果を、7・8日開催の(一社)日本食品工学会第22回(2021年度)年次大会(オンライン形式)で報告した。
同研究は、惣菜の製造を手がけるグループ会社のデリア食品㈱(東京都調布市、柴崎健社長)とともに進められている。超高圧処理を用いた独自の最新技術の静菌処理方法「冷圧フレッシュ製法®」により、素材本来の食感や色味を残し、味わいを維持した、冷蔵で20日間日持ちする袋詰めポテトサラダなどを製造・販売している。
生タマネギは、シャキシャキとした食感と、辛味をはじめとした刺激のある風味が特徴の素材。しかし、品種や産地によっては、特有の辛味が強く水さらしを行うことがあるが、辛みが十分に低減できなかったり、有用な風味成分や栄養成分まで流出したりすることが調理・加工上の課題だった。また、多量の水を必要とすることから、水資源保全の観点からも改善を望まれていた。
今回、超高圧処理の過程において、ある一定以上の空気を残すことで、シャキシャキとした好ましい食感を維持しながら特有の辛味を軽減した、生食に適した状態を実現することができた。また、圧力の調節によって、必要に応じて辛味を調整できることも分かったという。
同社では、「生タマネギはポテトサラダやマリネなどの材料としてだけでなく、ドレッシングなどの原材料としても活用できる素材。今後、この技術を幅広い商品に応用することで、さらなるおいしさを追求する」としている。