カゴメ㈱（愛知県名古屋市、山口聡社長）はこのほど、2023年度省エネ大賞「省エネルギーセンター会長賞」を受賞したと発表した。農業と食品製造を行う事業特性を踏まえた省エネ投資と省エネ活動が評価された。同表彰事業における受賞は、同社としては初めて。

　同表彰事業は、省エネルギー意識、活動および取り組みの浸透、省エネルギー製品などの普及促進に寄与することを目的とし、2011年より（一財）省エネルギーセンターが経済産業省の後援を受け主催している。事業者や事業場などにおいて実施した模範となる優れた省エネ取り組みや、省エネルギー性・CO2削減に優れた製品、ビジネスモデルを表彰し、審査発表や事例の情報発信、広報を行うことにより、国内の省エネ意識の拡大、省エネ製品の普及などによる省エネ型社会の構築に寄与することを目的としている。

　同社は、2050年までにグループのCO2排出量を実質ゼロにすることを目指し、国内工場における継続的な省エネ活動と、事業と親和性の高い領域での環境投資の両輪で取り組みを行っている。
　長年実践してきた省エネ活動では、全従業員参加型によるキャンペーン企画で士気を高めると同時に、各工場で省エネを推進するキーマンを主とした改善を実施。また、省エネの投資については、食品を扱いながら農事業にも携わっている事業特性を生かし、農工連携した同社ならではの環境投資を積極的に行い、カーボンニュートラルに向けた取り組みを深化させている。
　また、2020年より、野菜飲料を製造する富士見工場（長野県富士見町）において、隣接する生鮮トマトの栽培施設「八ヶ岳みらい菜園」と連携し、工場のボイラーから発生する排ガスに含まれるCO2を菜園に送気し、トマトの光合成促進に活用するほか、工場で発生する温排水の一部を菜園側に設置した空調用のヒートポンプで活用するなど、工場と菜園間でのエネルギーの循環利用を推進してきた。

　同社では、豊かな自然の中で農業が持続的に営まれるよう、日々の省エネ活動に加え、今後も農工連携した同社ならではの環境投資を積極的に実施し、CO2排出量の削減目標達成に向け取り組みを進めるとしている。

（冒頭の写真：同社リリースより）