カゴメ、売上、前年同期比9.5%増 食品・業務用カテゴリーが業績をけん引
カゴメ㈱(愛知県名古屋市、東京都中央区、山口聡社長)はこのほど、2023年12月期第3四半期(2023年1月1日~9月30日)決算短信を発表した。売上高は前年同期比9.5%増の1,648億6,700万円、営業利益は同54.1%増の155億7,600万円だった。
同社は、2022年12月期から4年間を対象とする中期経営計画の下、「食を通じて社会課題の解決に取り組み、持続的に成長できる強い企業」を目指している。基本戦略である「4つのアクション(①野菜摂取に対する行動変容の促進、②ファンベースドマーケティングへの変革、③オーガニック・インオーガニック、両面での成長追求、④グループ経営基盤の強化と挑戦する風土の醸成)の有機的連携による持続的成長の実現」に取り組み、さらなる企業価値の向上に努める。
今期は、国内加工食品事業においては、主要原材料をはじめ製造費用の増加を受け、野菜飲料やトマト調味料など、一部製品の出荷価格を改定した。改定後、需要の落ち込みがあったが、食品カテゴリーや業務用カテゴリーの販売が好調であったことにより増収となった。また、事業利益は原材料価格の高騰などにより減益となった。
国際事業は、トマトペーストの販売価格の上昇、フードサービス企業向けの販売が好調であったことで増収増益となった。
国内加工食品事業では、飲料や調味料などの製造・販売を手掛けている。同事業における売上収益は、同1.6%増の1,043億6,200万円、事業利益は、同0.2%減の88億6,400万円だった。
飲料は、消費者の健康ニーズを捉えたことにより好調に推移。「野菜生活100」シリーズは、価格改定による買い控えなどにより減収。同カテゴリーの売上収益は、同2.0%減の565億400万円、事業利益は、原材料価格が高騰したものの、広告宣伝費の抑制などにより、同4.4%増の60億2,400万円だった。
通販カテゴリーでは、主に、野菜飲料、サプリメント、スープなどの製造・販売を行う通信販売「健康直送便」を手掛けている。通販カテゴリーの売上収益は、野菜飲料の定期顧客数が前年を下回り、同3.0%減の95億5,000万円だった。事業利益は、減収に加え、コンタクトセンター運営費の上昇などにより、同39.3%減の5億7,200万円だった。