オリザ油化、マキベリー抽出物の特許を米国で取得
オリザ油化㈱(愛知県一宮市、村井弘道社長)はこのほど、マキベリー抽出物のドライアイ予防、治療作用がある旨の特許を米国で取得したと発表した。日本、欧州、カナダ、イスラエル、韓国に続いての取得。
ドライアイの原因はいくつかあるが、その主たるものとして、活性酸素などにより涙腺の涙液分泌機能が低下し、それによって目の表面が乾燥することが原因だとされている。
そこで同社は、マキベリー抽出液(総アントシアニン約35%、デルフィニジン約20.0%)についてドライアイモデルマウスを使い、ドライアイ予防・治療作用についての評価を行った。その結果、投与3、5、8日目においてマキベリー抽出物20mg/kg投与群では、vehicle群(マキベリー未投与群)と比較して、有意に涙液分泌量が増加した。この結果、マキベリー抽出物は涙液分泌能の低下を抑制する作用を有することが確認された。
また、マキベリー抽出物と他のベリー系の抽出物(ビルベリー、カシス)の作用とも比較した。他のベリー系抽出物の場合は、1日目に涙液分泌の大幅な低下がみられたが、マキベリー抽出物の場合は、1日目においても涙液の大幅な低下が起こらなかった。さらに、実験期間を通しても、マキベリー抽出物が大幅に涙液分泌量の低下を抑制することが確認された。
以上の結果から、マキベリー抽出物がドライアイ予防・治療剤として他のベリー系のエキスと比較しても有効であることが示され、同社は特許取得に至ったとしている。
同社のマキベリー抽出物のドライアイ改善作用については、臨床試験でも良好な結果が得られている。試験は、被験者に1日のパソコン作業の時間が4時間以上の健康な日本人男女を選抜し、ランダム化プラセボ対照二重盲検試験を実施した。
被験者74人を37人ずつの2つのグループに分け、試験食グループには同社のマキベリー抽出物を1日60mg/日、4週間継続摂取させた。作用の評価は、被験者にVDT作業(携帯型テレビゲームの実施)によって目に負荷を与え、VDT作業前後で涙液量測定やアンケートを行い、摂取前後での変化を比較した。
試験の結果、涙液量を測定するシルマーテストにおいて、VDT作業前後の摂取前後の比較で有意な改善が確認された。また、自覚症状アンケートでも、目の疲れ、肩こり、Bothersome ocular symptomsの項目で有意な改善が確認された。
以上の結果から、同社のマキベリー抽出物の健常者に対するドライアイ改善作用が証明され、査読付き論文である「Journal of Traditional and Complementary Medicine」に掲載されている。
同社では、こうした結果をもとにマキベリー抽出物を使った機能性表示食品の届出を行っており、すでに公表もされている。
同社では、「今回の特許取得で、差別化されたこの商品自体が、眼病予防、ドライアイ予防のオンリーワン素材としてさらなる応用が期待できる。国内外の健康食品だけでなく、一般食品、飲料分野へのさらなるグローバル展開が期待できる」としている。