オリザ油化、「2020年度新あいち創造研究開発補助事業」を完了
オリザ油化㈱(愛知県一宮市、村井弘道社長)は7日、同社主力商品の米由来セラミドの補助事業「2020年度新あいち創造研究開発補助事業」を完了したと発表した。
インフルエンザ重症化抑制作用について、外部試験機関(ハムリー㈱)に委託。強毒性インフルエンザウイルスを経鼻的に感染させたマウスに対し、被験食品の米由来セラミド(10㎎/㎏)をウイルス摂取1週間前から摂取後にかけて毎日投与した。結果、生存率が改善することが判明。次に、主な含有成分であるグルコシルセラミドとBSGについて同様の試験を行ったところ、BSG(5 mg/kg)に有意な生存率の延長が認められた。BSGには殺ウイルス作用がないと考えられることから、別の作用機序による生存延長作用と考えられる。また今回は1用量(5 mg/kg)でしか検討していないが、BSGの投与量を増やすことでさらに効果が高まる可能性も考えられるとしている。
グルコシルセラミドとの併用によるバリア機能の臨床効果について、健常な日本人成人女性40人を被験者とし、ランダム化プラセボ対照二重盲検並行群間試験で実施した。
40人を2群に分け、被験食40㎎/日(グルコシルセラミド1.2㎎、BSG40㎍)を12週間摂取させた結果、収容アウトカムの頬のTEWL(経表皮水分蒸散量)が有意に改善した。同時に唇の水分量が向上し、毛穴が目立たなくなる副次効果を確認されたという。この結果から、グルコシルセラミドとBSGの併用は、バリア機能の改善に加え、唇の保湿や毛穴の改善効果も期待できるとしている。研究結果は現在、論文投稿中で、詳細な結果の公表は論文受理後の6月下旬を予定している。
また同社では、同補助事業において、単離したグルコシルセラミドやその他成分の保湿作用、その他の新規機能も検討しており、特許出願後に公開を予定している。