エムズに牛肉表示不正で勧告 牛トレーサビリティ法に基づき九州農政局が是正指示
農林水産省九州農政局は17日、㈱エムズ(福岡市)が特定牛肉に個体識別番号を表示せず、または事実と異なる番号を表示して販売していたと発表した。同農政局は牛トレーサビリティ法に基づき、表示の是正や原因究明、再発防止策の実施を勧告した。
立入検査の結果、同社は少なくとも2024年10月~25年10月までの間に、計5,191パックを不適正表示のまま販売していたことが確認された。九州農政局は、管理体制や制度理解の不備を指摘し、報告書の提出を求めている。
5,191パックで表示不備確認
同農政局は、2025年9月11日~26年2月26日までの間、エムズに対し、牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法に基づく立入検査等を実施した。
その結果、エムズが特定牛肉について個体識別番号を表示せず、または事実と異なる個体識別番号を表示し、少なくとも24年10月14日~25年10月14日までの間に、合計5,191パックを一般消費者に対して販売していたことを確認した。
複数商品で未表示・誤表示
不適正表示の対象となったのは、「牛バラ切落とし 国産加熱用肉じゃが・牛丼用」および「国内産牛バラウデ切落とし」、「黒毛和牛ももステーキ イチボ」「黒毛和牛ももステーキ ランプ」など3種。
「牛バラ切落とし 国産加熱用肉じゃが・牛丼用」については、少なくとも24年10月14日~25年4月13日までの間、個体識別番号を表示しないまま2,688パックを販売した。また、同商品では、原料牛肉の荷口番号が「01352410578」、「01352480588」、「01352540152」、「01352520758」、「01352620571」であるにもかかわらず、個体識別番号として「1352410578」、「1352480588」、「1352540152」、「1352520758」、「1352620571」と事実と異なる番号を表示し、25年9月24日~10月14日までの間に284パックを販売していた。
「国内産牛バラウデ切落とし」については、個体識別番号を表示しないまま、25年4月7日~9月9日までの間に2,198パックを販売していた。
また、「黒毛和牛ももステーキ イチボ」および「黒毛和牛ももステーキ ランプ」については、個体識別番号が「1375365237」であるにもかかわらず、事実と異なる個体識別番号「1347476541」を表示し、25年8月4日~8月8日までの間に21パックを販売していた。
九州農政局は、これらの行為が牛トレーサビリティ法第15条第1項に違反すると判断した。このため同局は、エムズに対し、現在保持している特定牛肉について直ちに個体識別番号の表示を点検し、不適正な表示があった場合は速やかに適正な表示に是正した上で販売するよう勧告した。
制度理解不足と管理不備指摘
また、個体識別番号の未表示や誤表示の原因について、正確な情報提供に対する意識や制度理解の不足、管理体制や商品管理システムの不備があると指摘し、同社に対して原因の究明・分析の徹底を求めた。
その上で、責任体制の明確化とチェック体制の整備など再発防止策の実施、法令遵守の徹底を要請した。あわせて、全役員・従業員への制度周知を求めた。
これらの措置についてエムズは、報告書として取りまとめ、令和8年4月17日までに農林水産大臣へ提出しなければならない。
【編集部】
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