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エビデンス入門(21)機能性関与成分の同等性

関西福祉科学大学 健康福祉学部 福祉栄養学科
  講師 竹田 竜嗣 氏

 
 今回は、「特定の物質が機能性関与成分となる場合に、それらの物質の起源がエキスや分泌物に由来する場合や、エキスや分泌物そのものを機能性関与成分とする場合の同等性」について解説する。

 エキスや分泌物(エキス等)に含まれる特定の物質を機能性関与成分とする場合は、その物質のみで機能性の作用機序を説明できなければならない。特に、機能性の根拠論文で使用した摂取食品が、機能性関与成分を含むエキス等を用いて実施した場合は、機能性関与成分の量や、その物質のみで作用機序が説明できる根拠などの情報も併せて示しておくことが望ましい。機能性関与成分の起源を限定する場合(例:XX由来没食子酸)は、定性的情報(HPLCクロマトなど)も記載しておくことが重要である。

 また、エキス等を機能性関与成分とする場合は、機能性の一部を説明できる指標成分など、作用機序の面から説明できる物質の量や定性的情報を明らかにし、エキスを定義づける必要がある。
 一般的に、抽出物を原料として供給する場合は、特定の成分の含有量を規格化し、その量を担保することでエキスの品質管理を行っている。機能性表示食品制度では、従来の品質管理に加えて、エキス等の定性的特徴も規格化し、厳密な品質管理が求められる。

 これは、物質レベルで明確に機能性関与成分を指定する場合と異なり、エキス等には指標成分以外にも機能性関与成分が含まれ、エキス全体で機能性を担保しているためである。このため、機能性の科学的根拠となる論文についても、エキス等の定性的特徴、指標成分の含有量などを明
確に示しておいた方がよい。

 これらの情報を予め根拠論文に盛り込むことで、届け出る最終製品に用いるエキス等との同等性をはっきり示せるようになる。根拠論文に掲載する情報としては、エキスの起源原料情報(学名レベルの植物名や、特定の産地が品質管理上重要であれば原産地)や抽出溶媒などの製法、指標成分名と含有量、HPLCクロマトグラムなどのエキスの定性情報が含まれていることが望ましい。

 または、これらの情報が特定できる原料の名称(自社原料のみが特定できる商標など)がある場合は、その原料名を示すことなども有効である。届出後に疑義を持たれないためにも、特定物質のエキス等の定性的・定量的な詳細は、根拠論文内で明らかにしておくことが重要である。

(つづく)

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