エクオール含有ゼリー飲料でヒト試験 大塚製薬が実施、月経後の肌状態への影響を検証
エクオールなどを含有するゼリー飲料が月経後の肌状態の改善に寄与する可能性があるという。大塚製薬㈱(東京都千代田区、井上眞社長)が19日までに発表した。月経周期に応じて肌の状態に変化を感じる閉経前女性109人を対象にした無作為化非盲検クロスオーバー比較試験を行ったところ示唆されたもの。研究結果をまとめた論文が日本女性医学学会雑誌(32: 686-698,2025)に掲載された。
同社の発表によれば、試験に使用した食品は、エクオールをはじめビタミンD、コラーゲン、カルシウム、マグネシウムを含有するゼリー飲料。「月経周期に応じた肌の変化に着目し、主観的・客観的評価による基礎情報を取得」するとともに同食品を月経後に6日間摂取することによる肌への影響を検証した。
試験では、同食品の非摂取期を対照とした非盲検のクロスオーバー試験を実施した。月経開始日をDay1としつつ、試験食品摂取期にはDay7から連続して6日間、被験者は朝食後に同食品を摂取。その上で、主要評価項目として全16項目で構成される肌に関する自記式質問調査を実施したほか、副次評価項目として肌の客観的評価と血中パラメーター評価を行った。
その結果、非摂取期の自記式質問紙調査では、Day6からDay13にかけては「全体的な肌の調子」などの3項目で肌状態のスコアが有意に向上したがDay6から次回月経開始日にかけては12項目でスコアが有意に悪化。
一方で、摂取期では、非摂取期のDay6からDay13との比較で「肌のざらつき」などの5項目で有意なスコアの上昇が認められたほか、次回月経開始日についても5項目で有意差が認められた。それに加え、エクオール産生者と非産生者ごとの解析を行ったところ、後者のほうが同食品摂取によるレスポンスがより顕著に認められたという。
この結果について同社は発表で次のように説明している。
「月経周期に応じて肌の状態に変化を感じる女性は、月経後に肌の状態が向上し、黄体期(=月経周期のうち排卵後から次の月経が始まるまでの期間)を経た次回月経開始日には悪化を感じていた。試験食品摂取によって、普段の月経後より肌状態に対する実感が向上し、次回月経開始日における悪化を抑制したことから、試験食品が月経後の肌状態の向上に寄与する可能性が示唆された」
同社は、ライフステージごとに特有の健康課題が存在する「女性の健康」を注力する社会課題の1つに位置付け、女性の健康をサポートするための研究開発や啓発活動に力を入れている。
【石川太郎】
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