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ウェルネスフード推進協会「アイケア」をテーマにセミナー開催

 (一社) ウェルネスフード推進協会(WFA、矢澤一良代表理事)は25日、「コロナ禍を超えて、ニューノーマル社会に向けた機能性食品開発『アイケアと機能性表示食品』」をテーマにオンラインセミナーを開催した。食品や原材料メーカーなど、300人を超える参加者がセミナーを視聴した。

 「加齢黄斑変性と酸化ストレスの関係」を演題にした聖路加国際病院の小沢洋子眼科部長は講演の冒頭で、「健康で快適な生活を送るうえで視力は非常に重要であり、クオリティービジョンを維持するためにもサプリメントが果たす役割が大きくなっている」との認識を示し、日本人の失明原因の第4位である加齢黄斑変性の予防に寄与するサプリメント開発に期待感を表した。

 加齢黄斑変性は、50歳以上の日本人の1.3%が罹患する病気。網膜にある黄斑部が加齢のほか喫煙や脂質異常症、高血圧などの要因で変性し、視力低下や視野の中心部が見えなくなる。「炎症と酸化ストレス蓄積の相互作用で発症するとされており、最近では抗VGEF抗体療法がスタンダードとなって治療自体は進歩したが、一度発症すると痕が残って視力にも悪影響を残す。そのため予防が大切であり、禁煙などの生活習慣の見直しとともに、抗酸化機能を持つサプリメント摂取を併用することで、より大きな効果が期待できる」とした。

 さらに小沢部長は臨床試験のデータも引用しながら、「黄斑部に必要な栄養素であるルテインは加齢とともに自己生成できなくなるので、外から接種するしかない」とサプリメントの必要性を重ねて強調した。
 
 帯広畜産大学の宮下和夫特任教授は「オメガ3PUFA とカロテノイドの酸化と抗酸化」を演題にして、アイケアに効果的な食品成分の研究結果を報告した。

 「多価不飽和脂肪酸であるDHAやEPA、PUFAは化学反応を起こしやすく、これらの魚油由来成分は酸化しないよう生成してもカプセルを噛むと臭いがする。しかし、食品に使用できる抗酸化剤は限られている」と、まずアイケアの機能性表示食品開発の難しさを指摘。そのうえで最近、新たな抗酸化法として注目されているのがスフィンゴイド塩基であるとし、「食用油に添加してみると、揮発性成分が一定時間抑制される。現在ではスフィンゴイド塩基に関する研究も活発となっており、次々にユニークな研究成果が報告されている」と語った。

 一方、カロテノイドでは種類によって最適な抗酸化法が異なり、トコフェロールが安定化には効果的としたうえで、「食用油を用いると安定性が高く、脂溶性機能成分の効率的な抽出も可能。その方法で開発ができれば、さまざまな食品に応用できる」とした。今後の研究開発のヒントとなる講演だった。

【堂上 昌幸】

(冒頭の写真:冒頭であいさつした同協会の大澤俊彦副代表理事)

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