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ウェビナー通じて潜在ニーズを確信 【フェムテック特集】睡眠の質向上とフェムケアの関係

 2020年以来、サプリメント・健康食品業界関係者を対象にしたウェビナーを頻繁に開いている植物エキスメーカーの㈱常磐植物化学研究所(立﨑仁社長)。最終製品販売会社や受託製造企業の関係者が参加しており、これまでに30回近く開催してきた。その中、集客が顕著に多くなるテーマがフェムテック・フェムケアだという。「注目度が右肩上がりに高まっていると感じる」と同社のウェビナー担当者は話す。

 ウェビナーは、機能性表示食品対応素材をはじめとするサプリメント・健康食品向け原材料のプロモーションをしたり、マーケティングを行ったりする目的で開催している。フェムテック・フェムケアをテーマにする回では、国内外の関連市場の伸長ぶりを紹介しつつ、経済や社会の発展のために女性が抱える健康課題を解決する意義を伝える。そのうえでフェムケア対応素材の概要を知らせる、という流れを取る。

 同社の場合、骨の健康(骨の成分維持)をはじめ、肌(保湿)や冷えのケアなどといった領域もフェムケアに含め、「アイソマックス」(大豆イソフラボン)や「ライスセラミド」(米由来グルコシルセラミド)、「ジンジャーウォーマー」(ショウガ由来ポリフェノール=6‐ジンゲロール、6‐ショウガオール)などの機能性表示食品対応素材を配合した最終製品の開発を提案する。

 同社として最新の機能性表示食品対応素材「ローレッシュ」(ゲッケイジュ葉エキス)もフェムケア素材。オーラルケア(歯ぐきを丈夫で健康に保つ)機能を訴求する素材だが、エビデンスを踏まえ、摂取対象を成人女性に限定しているためだ。

「ニーズが最も高い」のは月経前の不調ケア

 その中、「ニーズが最も高い」と同社が手応えを語るのは、月経が始まる前に生じる不調のケアだ。それに対応する素材として提案しているのは「ベネトロン」である。キョウチクトウ科植物ラフマの乾燥葉を抽出・精製したエキス粉末で、睡眠ケアを訴求する機能性表示食品に配合できる素材(機能性関与成分名:ラフマ由来ヒペロシド、ラフマ由来イソクエルシトリン)。届出件数は現在までに80件を超える。

 症例報告(2例)のためエビデンスとしてはカウントすべきではないが、ベネトロンの継続摂取によって、月経前に生じるイライラ感や気分の落ち込みなどが緩和される可能性が示唆されている。産婦人科医がPMS(月経前症候群)の症状を抱える患者に対してベネトロンを配合したサプリメントを使用したところ、うつ状態の改善が見られた、過食がおさまった、一緒に生活する男性からイライラなどが改善していると指摘された──などといった報告が上げられた。

 また、睡眠の質向上機能に関する作用メカニズムも、同社がベネトロンを月経前の不定愁訴をケアするフェムケア素材として提案する理由になっている。

 ベネトロンの摂取によって睡眠の質が高まるのは、精神を安定させる働きを持つセロトニンを増加させるためだと考察されている。セロトニンは、睡眠や覚醒のリズムを調節するメラトニンの前駆体であり、セロトニンの増加に伴いメラトニンも増えていると考えられる。一方、メラトニンの減少は、PMSと関連している可能性が指摘されている。PMSの中でも不安感やイライラなど精神状態の不安定さが強くでるPMDD(月経前不快気分障害)の人では、月経前に夜間のメラニン血中濃度が低くなっているとの報告もある。

 月経が始まるのに合わせて睡眠の質が低下する女性は少なくないといわれる。そのため、睡眠の質が向上されるのを媒介に、月経前の不定愁訴が緩和されるようなこともあり得る。その意味でも、「ベネトロンはフェムケア素材だ」と同社では強調する。今後、フェムケア素材としての機能性の幅を広げられるようにするため、「新たなエビデンス蓄積に向けて取り組んでいきたい」という。

【石川 太郎】

<COMPANY INFORMATION>
所在地:千葉県佐倉市木野子158番地(本社・工場)
TEL:043-498-0007
URL:https://www.tokiwaph.co.jp/
事業内容:機能性表示食品対応素材、医薬品原薬、化粧品原料等の製造及び販売

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