㈱龍泉堂（東京都豊島区）は今年40周年を迎える健康食品と化粧品の原料・OEM販売会社。1981年の設立以来、ドクターと共同で臨床試験を実施、エビデンス重視の姿勢を貫いてきた。消費者庁のホームページで公表済みの機能性表示食品は4品。今年から国産原料の海外への発信にも力を入れていく。（聞き手・文：田代　宏）

＜末端製品の販売からスタート＞
――40周年おめでとうございます。
塩島　現会長の八重勉が1981年に会社を設立し、スピルリナ含有の健康食品を発売したのが最初ですが、早いもので40周年を迎えました。

――設立当初は末端製品の販売が中心でした。
塩島　そうです。タマネギ濃縮エキス加工食品『ビタ・オニオン』、野ぶどう果実エキス加工食品『ロングレープ』、カボチャ・タマネギエキス加工食品『南瓜オニオン』などの末端製品を販売していました。

――「血液サラサラ」という言葉は御社が元祖とか。
塩島　その言葉も今では一人歩きしていますが、1989年（平成元年）に『ビタ・オニオン』を上市した際、ドクターやテレビ局のディレクターなどと作った言葉です。

――原料を取り扱うきっかけは？
塩島　やがて大手食品メーカーや製薬メーカーが市場参入して競争が激しくなるなか、海外でも臨床試験に基づくエビデンスを持つ原料があるというのが分かってきたことから、それらを輸入販売してはどうかという話になりました。原料事業を本格的にスタートさせたのが2006年のことですから今年で15年になります。

――大きな事業転換でしたね。
塩島　それまでの取引先は、卸など数えるほどしかなかったのですが、原料事業を始めてからメーカー・工場・卸などと取引するようになり格段に増えました。売上自体も上がり安定してきました。これから50周年に向けてさらに原料事業を強化していきます。

＜スクラムチームで効果最大化＞
――御社の原料の特徴は？
塩島　他社が使っていない、珍しくて有用な原料を海外で探し、それに付加価値を付けて国内で上市しています。流行に振り回されることなく、安全性の確認が取れたものを使用するというのがモット―ですね。時間はかかりますが、きちんと上市できさえすれば、時間をかけた分独占権を得ることができることが分かりました。

――むしろ、流行りを作り上げていく独特のスタイルをお持ちです。
塩島　㈱マイライフという通販会社や㈱ペガサスという出版社などのグループ企業でしっかりとスクラムを組み、相乗効果が得られるような活動を行っています。以前は末端製品を原料メーカーが扱えば販社とバッティングしていましたが、今では多くの原料メーカーがマーケティングや原材料の啓蒙のために販社の活用に力を入れています。

――研究は外部で行っているのですか？
塩島　品質管理や分析方法の確立などは大学にある共同研究室で行っていますが、臨床試験については外部に委託しています。以前は大学と共同でやることが多かったのですが、当社にもノウハウが蓄積されてきたことで、食品CRO機関と共同で行うケースが増えました。

――今後の展開について。
塩島　ここ数年、多くの原料が好調に伸びてきました。これは、機能性表示食品で我が社の認知度がアップしたことが大きいと考えています。

――相乗効果でほかの原料も釣られるように伸びている？
塩島　原料販売だけではなく、機能性表示食品の届出サポートや研究開発支援コンサル事業も引き合いが増えていますので、引き続き原料メーカーと共に機能性データの取得に向けた取り組みを行います。
　また、高知県産の「黄金しょうが粉末」、「発酵黄金しょうが粉末」、「赤香(せっこう)しょうが粉末」、徳島県産の「スダチ果皮エキス末」などの四国産原料の引き合いも増えていることから、今後は、国産原料の海外展開にも力を入れる予定です。
　それこそ、かつて末端製品として販売していた「南瓜オニオン」、「ロングレープ」などの国産原料を東南アジアなどの海外へ向けて積極的に発信していきたいと思います。

――40周年記念パーティーの予定は？
塩島　9月16日にホテルメトロポリタン（東京都池袋）で予定しています。

――ありがとうございました。

＜COMPANY　INFORMATION＞
所在地：東京都豊島区西池袋1-5-3（本社）
TEL：03-3985-8346
E-mail：info@ ryusendo.co.jp
URL：http://www.ryusendo.co.jp
事業内容：原料・OEM、末端製品販売