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イチイ「全草」、専ら医リストに 厚労省、食薬区分一部改正を通知

 厚生労働省は、「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いの例示」(食薬区分)の一部改正を都道府県に19日付で通知した。10月24日に案内した一部改正案のまま改正した。

 主な改正点は、専ら医薬品として使用される成分本質(専ら医)リストに「N-フェニルプロポキシフェニルカルボデナフィル」を新規収載した他、以前から専ら医リストに収載している植物由来原材料の「イチイ」(他名:アララギ)について、対象部位を「全草」に変更した。それに伴い、これまで医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(非医)リストに収載していたイチイの果実を、非医リストから削除した。

 厚労省によると、イチイの全草を専ら医とする根拠は、果実も含めた全草に、医薬品成分として使用される化合物のパクリタキセル(paclitaxel)が含まれるため。同化合物をめぐっては、さきごろ非医から専ら医に区分変更されたコウトウスギでも議論になっていた。

 今回の食薬区分一部改正に際して厚労省が行ったパブリックコメントに寄せられた意見は1件だった。意見は以下のとおり。

 「『専ら医薬品』と判断する根拠として『十分な食経験があるとは言えない』や『極めて強い毒性を有する』が挙げられていますが、これらは食品として販売されることを規制すべき一義的な根拠であり、『専ら医薬品』という『方便』によってではなく、食品衛生法(第6条又は第7条)によって規制するのが正当なあり方であると考えます」。

 これに対して厚労省は、「食薬区分は医薬品の該当性を判断するためのものであり、食品としての安全性等の評価をしたものではありませんのでご留意ください」などと回答している。

【追記(2022年12月29日)】厚労省、イチイ果実に1年間の経過措置

 厚労省は、12月19日付の食薬区分一部改正通知を一部訂正する通知を同27日、都道府県などに出した。全草を「専ら医」とする指定部位の変更などを行った植物由来原材料のイチイ(アララギ)について、果実に関しては1年間の経過措置期間を設ける。

 イチイの果実を配合あるいは含有する製品について、2023年12月18日までの間に限り、食薬区分の分類のみをもってただちに医薬品に該当するとの判断は行わない、としている。

 イチイの果実はもともと「非医」リストに収載されていた。厚労省は当初の通知で経過措置期間を設ける考えを示していなかったが、その後、国内における食品としての流通実態が確認されたとみられる。

 イチイの枝・心材・葉は、もともと専ら医リストに収載されていたため、経過措置の対象外。

【石川 太郎】

関連記事:イチイ全草を専ら医へ 厚労省、食薬区分一部改正案示す
    :コウトウスギの食薬区分変更めぐり反対の声多数

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